10日に阪神競馬場で行われる桜花賞(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する…

10日に阪神競馬場で行われる桜花賞(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。

前走のチューリップ賞で、世代屈指の末脚を繰り出し完勝のナミュールや、昨年の阪神ジュベナイルFを制し、最優秀2歳牝馬に輝いたサークルオブライフをはじめ、前走クイーンCで後方待機から豪快な差し切り勝ちを決めたプレサージュリフト、阪神ジュベナイルF2着から直行ローテで挑むラブリイユアアイズら世代トップクラスの有力馬が牝馬クラシック一冠目の舞台へと駒を進めてきた。

ここでは、血統データから読みとく桜花賞の推奨馬を紹介する。

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■持続力とパワーに富んだノーザンテーストとロベルトの血

データは2017年以降の桜花賞を集計。3着内馬の血統表は以下の通り。

初年度産駒のマルセリーナが2011年の桜花賞を制すなど、デビュー以来4年連続で桜の女王を輩出していたディープインパクト産駒だったが、近5年では【1-1-1-18】(勝率4.8%、連対率9.5%、複勝率14.3%/単回収値16)と往年の勢いはもはやない。代わりにダイワメジャーやオルフェーヴル、ルーラーシップなどノーザンテースト内包の種牡馬やロベルト系のエピファネイア産駒から好走馬が出ていることがわかる。

この理由はコース形態にある。阪神芝1600mは、直線が長くゴール前に急坂が待ち構えているコース形態で、スピードだけで押し切ることは難しく、スピードの持続力と坂をこなすパワーが不可欠。そこで、持続力とパワーに富んだノーザンテースト内包の種牡馬やロベルト系種牡馬の出番というわけだ。今回はノーザンテーストを内包しているドゥラメンテ産駒とロベルト系のエピファネイア産駒からそれぞれ2頭を推奨馬としてピックアップしたい。

まず1頭目は、アドマイヤリードを半姉に持つドゥラメンテ産駒のベルクレスタだ。父ドゥラメンテ×母父ミスプロ系の牝馬は、芝のレースにおいて、前走上がり3Fが1位の場合【5-1-1-1】(勝率62.5%、連対率75.0%、複勝率87.5%/単回収値242)。持ち前の末脚を続けて発揮できるタイプで、非常に高い勝率をマークしている。前走のクイーンCでは内枠が仇となり追い出しが遅れ、上がり最速を記録しながら差し届かず3着。今回は道中スムーズに運べれば、一発の可能性を秘めていそうだ。

2頭目は、エピファネイア産駒のサークルオブライフに注目したい。父エピファネイアの牝馬は、阪神芝1600mの舞台で【8-5-7-36】(勝率14.3%、連対率23.2%、複勝率35.7%/単回収値465)。さらに中3週以内の間隔で出走してきた場合、【3-1-0-9】(勝率23.1%、連対率30.8%、複勝率30.8%/単回収値1532)と叩き良化型だ。前走のチューリップ賞では、3カ月ぶりの出走でありイレ込みが見られ、ナミュールやピンハイに先着を許した。しかし叩いた上積みが見込める今回は、逆転の可能性は十分にある。

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文・中井達也(SPREAD編集部)