すでに見慣れた光景となってきた。日本ハムは5日のロッテ戦(札幌ドーム)に0―2と敗れ4連敗。開幕から10戦で9敗となり、早くも4度目の完封負け。開幕から未だ1勝は球団ワースト記録となった。

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 開幕前からある程度、予想されていたこととはいえ、厳しい戦いが続いている。

 この日、注目を集めたのは7回の場面だ。2点を追う7回一死満塁で代打・清宮がコールされた。一打逆転の場面で、3ボールとなった。セオリーとしては「待て」だが、新庄監督が出したサインは「打て」だった。

 だが清宮は4球目の甘い直球を見逃すと、続くゆるいカーブも見逃し、フルカウントに追い込まれる。最後は厳しいコースの直球を打ち上げて捕邪飛に倒れると、思わず顔を覆い、落胆の表情を隠せなかった新庄監督。凡退直後の清宮に対して「俺は君を信じて『打て』のサインを出している。割り切ってバチーンと捉えていきなさい」と注意したという。

 一方で「サイン無視」となった清宮を含め、現在のナインの状況についてはこんな声もある。

 「新庄監督のやり方、目指す野球に少しずつ違和感を感じているのではないか。あそこも本来なら『待て』の場面。長年体にしみついてきた野球観もある。選手もなかなかそう簡単には意識を変えられず、迷いが生じている可能性はある」(球界関係者)

 7回の場面、ボールが先行と相手投手、ドラフト3位の広畑も制球が定まっていなかった。「打て」が出されても、清宮の脳裏に押し出しの場面が浮かんだとしても不思議ではない。


 一方、セオリー無視の新庄野球に関しては結果が出ればいいが、結びつかなければ疑問の声がふくらんでいく危険性は秘めている。

 3日のオリックス戦でも2ー2と同点の8回裏に3番手として登板していた宮西に対し、一死三塁で迎えた3番・紅林に対してカウント3―1となったところで「申告敬遠」がコールされる場面があった。

 ベンチは一死一、三塁として4番・吉田正との勝負を選択したわけだが、バッテリーはこのコールにけげんそうな表情を隠せなかった。あくまでバッテリーとしては4番の吉田正ではなく紅林勝負を考えていた様子で、結果として4番に座る吉田正のプライドも刺激したことで、決勝の2点適時打を許すなど、後味の悪い試合となった。

 この采配に関しても、指揮官は後に意図を明かしていたが、フラストレーションがたまる試合が続いている。

 「目先の1勝よりも先の成長に期待している」とあくまで前を向く新庄監督だが、理想と現実という言葉もある。なかなか勝ち星がついてこない現状に、開幕直後とはいえチーム内でも焦燥感が漂い始めている。


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