プレミアリーグEAST開幕戦で市立船橋に2-0勝利、ロングスローからゴール演出 サッカーの高校生年代最高峰の大会、JFA…
プレミアリーグEAST開幕戦で市立船橋に2-0勝利、ロングスローからゴール演出
サッカーの高校生年代最高峰の大会、JFAプレミアリーグEASTの第1節が4月2、3日に行われ、前回王者で“3冠世代”の残像を追いかける青森山田高校は2-0で市立船橋高校を破り、白星スタートを切った。
昨年度はリーグ戦に加えて、インターハイ、高校選手権も制して3冠を達成。輝かしい成績を残した次のシーズンは、比較される難しさがある。その上、主将のDF多久島良紀(3年)は昨季終盤の負傷からまだ復帰できていない。年が明けて新チーム始動後まもなく、青森県では部活動が原則禁止になり、最大の特長と言えるフィジカル強化がままならなかった事情もある。準備段階では黒田剛監督が「不安しかない」と言うほどだったが、注目の開幕ゲームは、3冠世代が示してきた基準の高さを追い求める後輩たちが、泥臭く勝利をつかみ取った。
互角の展開だった序盤、得点を生み出したのは、青森山田の伝家の宝刀、ロングスローだった。左からMF奈良岡健心(3年)が投げたロングスローがファーサイドへ流れると、DF小林康人(3年)が頭でゴールへ押し込んだ。近年、高校サッカーでは当たり前に見られるプレーになったが、きっかけを作ったのは、青森山田だ。2015年度の第94回全国高校サッカー選手権大会で、DF原山海里(ホンダロック)がロングスローを連発。以降、得点源とするようになり、用いるチームが増えた。
黒田剛監督は「上手くいかない時期でも、スローインやコーナーからチャンスをつかむ。どんな形でも1点は1点。勝ち切るために、我々にはありがたい戦術の一つ」と、得意のセットプレーで先制点を奪えたゲームを振り返った。直接ボールに触りに行くのではなく、軌道が変わったところを狙っていた小林は「それぞれが自分の役割を果たすことが大事だと思っていた」と手応えを語った。
市立船橋もFW青垣翔(3年)やFW郡司璃来(2年)のドリブルで相手を押し下げてチャンスを作り出したが、青森山田はスライディングによるシュートブロックなどでゴールに鍵をかけて無失点を貫いた。後半は一進一退の攻防となったが、時間の経過とともに焦りが出てきた相手の隙を、青森山田が逃さなかった。後半34分、MF中山竜之介(3年)が相手スローインに飛び込んでワンタッチでインターセプトパス。FW小湊絆(3年)が、慌てて追いかけてきた相手をターンでかわし、後方からのスライディングで倒されてPKを獲得。小湊がゴール右に決めて、勝利を決定づける追加点を奪い、2-0で勝利を収めた。
黒田監督もシーズン序盤の苦戦は覚悟
原点回帰とも言える堅守とセットプレーで勝利をものにしたが、内容面では満足していない。高校選手権の決勝戦で被シュートゼロを達成した守備にはまだ遠く、攻撃面でも昨年のようにパスワークからゴールを陥れることはできなかった。
中盤でボール奪取を繰り返した中山は「まだ内容は、足りない。特に自分のパフォーマンスが上がっていない。冬の(活動できなかった)1、2か月が大きい。下半身ももっと筋力トレーニングをする予定だったが、上手くいかなかった。それを言い訳にしてはいけないし、運動量やボール奪取は、昨年くらいのレベルにいかないと優勝できない」と厳しく自己評価。エースの役割を果たした小湊も「昨年に比べるとまだまだと日頃から感じているので、周りを引き上げていかないといけない」と昨年との比較に触れた。
差があることは認めながらも、昨年の3冠チームを追いかける姿勢はある。黒田監督は「危ない場面もあったし、昨年みたいな守備はまだできないけど、どうやって近付いていくか。夏までに(冬にできなかった)体の鍛錬とスキルアップ、メンタリティーの3本立てで並行してやらないといけない。去年は去年。追われる立場にはなるのだろうけど、チーム(選手)は100%変わっている。割り切ってやるしかない」と序盤の苦戦は覚悟の上で、今後の成長に期待をかけた。
3冠翌年の注目度にさらされながら、鍛えて強くなる青森山田の真骨頂を発揮できるか、注目だ。(平野 貴也 / Takaya Hirano)