日本ハムの2年目左腕・加藤貴之投手が10日、本拠地での西武戦で今季3勝目を挙げた。■7回途中1失点で今季3勝目、栗山監督は「今年の加藤を象徴している」 日本ハムの2年目左腕・加藤貴之投手が10日、本拠地での西武戦で今季3勝目を挙げた。 初回…

日本ハムの2年目左腕・加藤貴之投手が10日、本拠地での西武戦で今季3勝目を挙げた。

■7回途中1失点で今季3勝目、栗山監督は「今年の加藤を象徴している」

 日本ハムの2年目左腕・加藤貴之投手が10日、本拠地での西武戦で今季3勝目を挙げた。

 初回連続無失点が17イニングで途切れた後、圧巻の投球を見せた。1点を失い、なおも1死一、三塁のピンチ。栗山を140キロ直球で見逃し三振、メヒアを139キロ直球で空振り三振に仕留めた。

「先に点をあげてしまったけれど、ボールは悪くないので何とか粘ろうと思いました」と振り返った加藤。相手に傾きかけた流れを気迫の投球で強引に引き戻した。

 この場面を栗山英樹監督は「今年の加藤を象徴している。困れば困るほど、しっかりバッターに向かって行く気持ちが出る」と褒めちぎった。

■「キャンプからしっかり腕を振って強い球を投げようとしていた」

 自身初となる中5日のマウンドも苦にはならなかった。今季チームは西武打線相手に7試合で54失点していたが、この日の加藤は6回1/3を6安打1失点で7三振を奪う力投。1点リードの7回1死二塁で降板後は「信頼して見てました」とリリーフ陣に託した。

 ここ3試合で失点はわずか1。防御率は1.93に跳ね上がり、リーグ3位につける。好調の要因についてお立ち台では「わかりません!」と断言して笑いを誘ったが、「野手の方が打ってくれるし、後ろのピッチャーの調子がいいので、思い切り投げられている」と自己分析した。

 栗山監督もその成長ぶりには目を見張る。「キャンプからしっかり腕を振って強い球を投げようとしていた。それが感じられない日は1日たりともなかった。ここに来て、それがベースになっている真っすぐの強さに出ている」。指揮官も厚い信頼を寄せる左腕がまたチームの連敗を止めた。

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa