今季初登板から多くのファンの度肝を抜いたのがロッテの佐々木朗希投手。開幕2戦目となった3月27日の楽天戦(楽天生命パーク)に先発し、初回に自己最速を更新する164キロの直球を投げ込んだ。同郷の岩手県出身の速球王、大谷翔平が日本ハム時代に残した165キロという日本人最速記録にあと1キロと肉薄。まだ20歳と若く、肌寒い春先にこれだけの数字を残し、今季中の大谷超えを予感させた。
球速という点においては、国内には向かうところ敵なしといった感さえ漂う。だが、その佐々木にとって球速勝負で唯一のライバルとなり得る存在が、同じチーム内に存在する。
新外国人のタイロン・ゲレーロだ。ホワイトソックス傘下3Aシャーロットから今年1月に加入。3月25日の開幕・楽天戦で8回から2番手で登板。いきなり161キロを投げ、1イニングを無安打無失点に封じた。その2日後に佐々木に更新されるのだが、開幕戦当日時点ではロッテ投手の161キロは公式戦球団最速記録となったとされている。
ゲレーロが本格的にメジャーデビューしたのはマーリンズ時代の2018年。このシーズンは中継ぎとして自己最多の60試合に登板した。8月13日のブレーブス戦では球速167キロを計測。防御率5・43と安定感には欠けたが、こと球速だけに限ってはメジャーリーグでもトップクラスだった。
翌2019年も52試合に登板。順調に映ったメジャーでのキャリアに襲いかかったのがコロナ禍だ。2020年のメジャーリーグは7月開幕の60試合と大幅に短縮された。開幕をマイナーで迎えることになったゲレーロだが、このシーズンはマイナーリーグは全試合中止に。実戦経験がないまま正念場の2020年シーズンを終えた。2021年は前年のそんな事態が響いたのか、3Aで18試合の登板にとどまった。
2018年には167キロを投げてはいたが、ここ数年はメジャーの表舞台には立っていないため、その実力には疑問を投げかける関係者も少なくなかった。加えて昨年に続き今年も新外国人の入国が大幅に遅れ、キャンプには参加できなかった。調整遅れは否めなかったが、オープン戦など実戦数試合で試した井口監督は実力を確信。「7、8回を任せられる」と勝ちパターンの継投に組み込んだ。開幕戦では期待通り白星発進に貢献。佐々木の後を受けて8回に投げた27日は1回1失点で来日初失点こそ喫したものの、160キロの直球で鈴木大地を左飛に仕留めるなど、期待に違わないスピードも示している。
投手の球速はシーズンが進み、気温が上がってくるとそれにつれて上昇していくとされている。佐々木の大谷超えを多くのファンや関係者が可能性は十分と考えるのも、その理屈からである。そういう面でいえば、ゲレーロの球速も間違いなく上がってくる。しかもここまでの調整過程や昨季の充実度でみれば、佐々木よりものびしろは大きいとみるのが普通だろう。
3月の来日後には、2m3cmとされていた公称身長が、実は2m6cmであったことが発覚したコロンビア出身の怪腕。日本球界最速記録は巨人のビエイラが持つ166キロだが、それを破る可能性を誰よりも秘めるのは、佐々木ではなくゲレーロなのかもしれない。
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