ソフトバンクやオリックスで活躍した元プロ野球選手の馬原孝浩のサポート、他にもプロゴルファーや格闘家など多くのアスリートをサポートした実績を持つ、スポーツトレーナーの大庭大業(おおば・ともなり)氏。そんな彼は専属トレーナーとして元横綱・白鵬…

 ソフトバンクやオリックスで活躍した元プロ野球選手の馬原孝浩のサポート、他にもプロゴルファーや格闘家など多くのアスリートをサポートした実績を持つ、スポーツトレーナーの大庭大業(おおば・ともなり)氏。そんな彼は専属トレーナーとして元横綱・白鵬関(現・間垣親方)を2012年から9年間支え続けた。

そんな大庭氏に今回「CoCoKARAnext」で独占インタビューを実施した。

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「強い人が勝つんじゃない。勝った人が強いんだ」元横綱白鵬を支えたトレーナーの印象に残る言葉とは⁉ 元横綱白鵬の専属トレーナー・大庭大業氏インタビュー https://cocokara-next.com/athlete_celeb/hakuhou-interview-01/


 

9年間専属トレーナーという立場で、苦楽を共に乗り越えてきたという経験からは多くの学びがあったという。横綱として勝ち続けるための行動や努力、強靭な精神力、周りから応援される人間力など様々だろう。そんな多くの学びの中から伝えたいことを聞いた。

「積み重ねるということですね。我々でも真似できる事。継続することは難しいんですけど、この本を通して、積み重ねる事の大切さ。積み重ならない事を想像しても、積み重ならない。でも目の前のやるべき事を、自分のやるべきことは何なのか、やるべき事をちゃんとやる。気がついたら重なっている。1日1日を大切にするというのを伝えたいですね」

と、継続の重要性について伝えた。さらにその伝えたいことの中で、3点伝えるとしたらという質問に対して、悩みながらも笑顔でこうまとめてくれた。

 

「1つ目はひとつひとつの工程を丁寧にやる事。2つ目は役割に徹すること。3つ目はPDCAサイクルを実行することですね」

これらの内容は自身が著し、白鵬自身が監修する書籍「白鵬の脳内理論」の中でも触れられている。

 

白鵬関は、毎日同じルーティンを持ち、習慣化していた。さらにそのひとつひとつの行動に対して五感全てを使い少しの体の変化も見逃さなかったという。そんな彼には、「アスリートの半歩先を行き、アドバイスする」という考えを持っている同氏でも、白鵬関が最善を尽くした全力の準備の前では、サポートする立場にいる人として、何をしないといけないのか考えさせられることも多かったという。その中でも自分の役割を詰み重ね、与えられたものに対して努力する事を意識してきたと明かした。

PDCAサイクルはP(plan:計画)、D(do:実行)、C(check:確認)、A(act:改善)の頭文字をとった言葉で、ビジネスなどの場面で用いられることが多く、なかなかアスリートから感じる事は少ないように思える。しかし、白鵬関の行動を振り返ると、この言葉の重要性に気が付いたという。

「常に何かあったら改善していました。取り組みから帰ってきて、次の日のプランを立てて、稽古場で確認する。そしてまた試合で試す」

「自分の仕事で何に詰まったのか、原因は何なのか、じゃあどう改善するべきなのか、また今度行動してというのを永遠にしてましたね。常にプランニングしてましたね。その循環がすごいなと思いますね。親方になった今も常に考えてますね。それを真似できたら良いなと思いました」

と、どんな立場になっても努力を怠らない姿から多くの教訓を得たことを明かした。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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大庭 大業(おおば・ともなり)

昭和53年(1978年)生まれ。福岡県北九州市出身。第69代横綱白鵬専属のトレーナー(2012年11月~2021年9月)を務めた。1年のうち130日以上、白鵬と寝食を共にし、その心身のケアに努めている。治療家、スポーツトレーナー、柔道整復師、鍼灸師。スポーツトレーナー歴は20年を超え、プロゴルフ選手、プロ野球選手や格闘家など、さまざまなトップアスリートのサポート実績もある。東京では「結び整骨院 鍼灸院」、「四ッ谷ウェルネス鍼灸整体院」、北九州では「やわらぎ鍼灸整骨院イオン黒崎院」を経営。アスリートのための運動塾「アスリートLABO」も運営する。