プロ野球2022開幕特集巨人・山﨑伊織&堀田賢慎 Wインタビュー プロ野球の2022年シーズンがついに開幕した。2年ぶり…
プロ野球2022開幕特集
巨人・山﨑伊織&堀田賢慎 Wインタビュー
プロ野球の2022年シーズンがついに開幕した。2年ぶり優勝を狙う巨人は、投手陣の立て直しが急務で、なかでも大黒柱・菅野智之に続く投手の出現が待たれている。そんななか、今シーズン大注目の投手が山﨑伊織と堀田賢慎である。はたして、巨人に新たな息吹を吹き込むことができるのか。ふたりに今シーズンの意気込みを語ってもらった。

今シーズンの活躍が期待される巨人・山﨑伊織(写真左)と堀田賢慎
◎山﨑伊織
憧れは坂本勇人
── どんな子ども時代でしたか?
「『ONE PIECE』が好きでハマってましたし、野球漫画は『MAJOR』をコミックスで持っていました。スポーツは何でもできたけど、サッカー部の友だちと仲が良かったこともあってサッカーが得意でした。小学校の時は毎日のようにやっていましたね。野球は......坂本(勇人)選手に憧れていました」
── 子どもの頃から夢はプロ野球選手?
「そうです。野球を始めた時からプロ野球選手になりたいと思っていました。『なりたい』から『なれる』に意識が変わったのは、大学3年の春が終わる頃です。成績もよかったですし自分のなかで少しプロに近づいたかなと思いました」
── 東海大3年時はリーグ通算11勝1敗、防御率1.09、2季連続MVPを獲得し、大学日本代表にも選ばれました。しかし秋に右ヒジを痛めて、PRP注射等の保存療法を受けて回復を待つも状態が上がらず、大学4年の2020年6月にトミー・ジョン手術を受けました。
「手術した直後はヒジがまったく動かなかったですし、痛みもあって不安しかなかったです。とはいえ、僕は投げられない時よりも、投げ始めた時のほうが難しかったですね。投げられない時は『投げたい』という気持ちで頑張れるんですけど、投げ始めたら思うように投げられない時期が長くてつらかったです。リハビリもしんどかったですし、なによりこのまま痛みなく投げられるか、今まで投げていたボールが投げられるかと......ネガティブになっていました。メンタル的にもやられた感じで、そこが一番大変でした」
── トミー・ジョン手術の大先輩でもある桑田(真澄)投手チーフコーチにかけてもらって覚えている言葉を教えてください。
「たくさん話をしていただいたんですが、一番心に残っているのが『人はできないんじゃなくて、やり方を知らないだけなんだよ』という言葉です。以来、できない時でも引きずりすぎないようにしよう、ということを大事に考えてきました。その日は考えてもいいけど、次の日からは、そのことで落ち込まないように心がけています」
── その桑田投手チーフコーチから言われて取り組んでいる課題はなんでしょう。
「ピッチャーはライン出しといってコントロールの練習を意識してやっているので、キャンプの最初の頃よりはよくなっていると思うんですが、それをブルペンじゃなくて実戦でもそのままできるように、もっともっと精度を上げていきたいです。それと僕は投げる時に身体が前に突っ込んでしまうクセがあり、そうすると腕が離れたり、身体が開いたりしてしまうので。桑田コーチからも『頭さえ突っ込まなければ大丈夫』と言われてますし、そこはとくに気をつけています」
プロ初勝利が目標
── 2020年に入団した堀田賢慎投手。奇しくも今シーズンのジャイアンツの有望株のふたりがトミー・ジョン仲間です。
「賢慎は黙々と練習するタイプの選手です。そんな彼の姿を見て『僕もやらなくては』と奮い立っています(笑)。年齢は下ですが、考え方や振る舞いは大人だなと思います。僕は変化球を投げてピッチングを組み立てるピッチャーですけど、賢慎は僕とは逆で、真っ直ぐの強さとスピードで勝負ができる。ピッチャーが憧れるピッチャーだと思います」
── 堀田投手は『オフは外出もできないので寝てます』と言ってました。山﨑選手のオフの過ごしかたは、いかがですか?
「僕も賢慎と同じで寝てます。毎晩夜10時には寝ちゃってますが、朝起きてもまだ疲れが残っていると感じています。なので、オフの前日は『よし、昼まで寝るぞ!』みたいな感じです(笑)」
── 自分の武器や持ち味を教えてください。桑田投手チーフコーチが『伊織のスライダーとシュートは一級品ですよ』と教えてくれました。
「まだ実戦が少ないですし、武器と言えるかはわからないですが、スライダーと真っすぐとシュート、この3つの球種で勝負したいと思っています。なかでも一番得意なボールはスライダーで、大きく曲がるスライダーと勝負球の小さいスライダーがあります」
── 得意の小さいスライダーを音で表現すると?
「小さいスライダーはスッ、ギュッという感じなんですけど、縦っぽくスッと曲がるのと、横っぽくギュッと曲がるのがあるんです。ここは投げ分けているわけじゃなくて、なぜか追い込んだ時には縦に曲がるんですよね。だからカウントをとる時はギュッ。追い込んでからはスッというのが僕の小さいスライダーです(笑)」
── いよいよ山﨑投手のシーズンが始まります。今シーズンの公約を教えてください。
「優勝するためにチームの戦力になるということなんですけど、自分としては、まずプロとしてのスタートを切るために1勝したいと思っています。1勝しないと、2勝、3勝とできないですし、1勝するのはすごく大変だと思うので、1勝することを公約します」
山﨑伊織(やまさき・いおり)
1998年10月10日、兵庫県生まれ。明石商業から東海大に進み、3年時には春と秋に連続してMVPを獲得。大学4年のドラフト前にトミー・ジョン手術を受けるも、巨人から2位で指名され入団。昨年はリハビリに終わったが、完治した今年、最速153キロのストレートと大小のスライダーを武器に新人王を狙う。181センチ81キロ、右投左打
◎堀田賢慎
大敗を喫してプロを目指した
── プロを目指したのはいつからですか?
「プロへ行きたいと本気で思ったのは高校2年の秋の大会が終わってからです。秋の青森県大会の準決勝で光星学院八戸に5回コールド負けを喰らいました。2年春、夏も光星にコールド負けをしていたので、今度こそと思っていたのですが、4回に打者二巡の猛攻を受けて一気に13点もとられてしまい、1−17で負けてしまいました。あの負けからプロを目指そうと思いました」
── 負けて覚醒した感じですかね。
「そうです。光星をどう抑えればいいのかを考えた時、真っすぐで押していけるピッチャーを目指さないとダメだと。その最終目標はどこに置けばいいのかと言えば、150キロを投げてプロに行くことだろう......そう思って練習にもギアが入りました」
── プロに行けると確信したのは高校3年生の時?
「3年夏も光星に3回戦で負けてしまい......僕自身も全国的に有名ではなかったですし最後までプロに行けるのか半信半疑でした。ジャイアンツにドラフト1位で名前を呼ばれて、あまりにビックリしすぎて頭が真っ白になりましたし、あの時のことは何ひとつ覚えていません(笑)」
── 入団後、すぐにトミー・ジョン手術。いま振り返って難しかったことは何でしょう。
「投げたい気持ちが先走り、ついオーバーペースになってしまって......そのあたりのコントロールが難しかったです。リハビリ期間はヒジが何度も痛くなったのですが、それを経験しないと次のステップに進まないんです。トミー・ジョン手術を経験されている桑田コーチ(真澄・現投手チーフコーチ)からも『焦るな』と言っていただいて、言葉の重みもあって安心感もありました。とてもありがたかったです」
── 2021年に入団した山﨑伊織投手、彼もトミー・ジョン手術を受けました。
「(山﨑投手は)1年違いでジャイアンツに入団してきましたが、僕より2カ月あとに手術をしたというのを聞いていました。僕のほうがリハビリは先行してましたし、少しでもアドバイスできればいいなと思いました。映像を見たら僕よりもすごいボールを投げているピッチャーだったので、教えてもらえるところは教えてもらおうと思っていました」
暇さえあれば寝たい
── キャンプ、練習試合、そしてオープン戦と好投も続いて、着実にステップアップしてるように見えます。桑田投手チーフコーチに話を聞いた時に『賢慎はストレートの角度がいい。あの角度はなかなか出せない』と褒めていました。
「僕は真っすぐが持ち味ですし、ボールの質やキレを求めてずっとやっているので、真っ直ぐをどんどんアピールしていきたいです」
── 堀田選手の武器の真っすぐ、音で表現すると?
「僕は(ボールを)弾かないので......じつはズドーンだねと言われたことはあるのですが、そうは思ってなくて。シューッ、ツツーッという感じですかね(笑)。軌跡は真っすぐホップしていくイメージを持っています」
── 桑田投手チーフコーチに言われて取り組んでいる課題はなんでしょう。
「投球のテンポアップとコントロールです。桑田コーチには『コースのラインの出し入れを考えて投げなさい』と教えられ、意識して練習しています。そこは少しずつですが成果は出てきていると思います。あとは変化球ですね。一軍で投げるには武器となる変化球がひとつでもあれば、ピッチングがラクになりますし。そこは今も課題として取り組んでいます」
── 変化球はどんなボールに取り組んでいますか?
「スライダーです。手術の影響もあって投げ始めは感覚が違って、高校の時のイメージで投げても、納得いくボールが投げられなくなってしまいました。シーズンを通して、試行錯誤しながらスライダーを磨いていきたいなと思っています」
── 気分転換になにかやっていることはありますか?
「今はコロナ禍で外出ができないので、ひたすら寝てます。寝ることがすごく好きですし、暇があれば基本、寝たいタイプです。夢はよく見ますが、起きたら忘れちゃいますね(笑)」
── 3月11日に目指していた支配下選手登録に復帰し、背番号91のユニフォームに袖を通しました。
「スタートラインに立ったということですし、次の目標に向かって頑張ろうという気持ちです。ジャイアンツは若くていいピッチャーが多いので、その競争にも勝たないといけません。安心することなく結果を求めてやっていきたいです」
── 今シーズンの公約を教えてください。
「東京ドームの一軍のマウンドでファンのみなさんの前で投げてる姿を見てもらう、というのが目標です。野球以外だとコンディショニングです。ケガをしないように、これから先もケアを続けていきたいと思います」
堀田賢慎(ほった・けんしん)
2001年5月21日、岩手県生まれ。青森山田から2019年のドラフトで巨人から1位で指名され入団。入団すぐの4月にトミー・ジョン手術を行ない、12月に育成選手契約となる。リハビリを経て、昨シーズン後半は155キロをマークした。今シーズン開幕前の3月11日に支配下登録に復帰した。186センチ85キロ、右投右打