決勝トーナメントのラウンド16を終えた、UEFAチャンピオンズリーグ。4月6日から始まる準々決勝は、ベンフィカvsリバ…

 決勝トーナメントのラウンド16を終えた、UEFAチャンピオンズリーグ。4月6日から始まる準々決勝は、ベンフィカvsリバプール、マンチェスター・シティvsアトレティコ・マドリード、ビジャレアルvsバイエルン、チェルシーvsレアル・マドリードの対戦となった。

 佳境に突入したこのチャンピオンズリーグを、2021年シーズンを最後に、現役を引退した玉田圭司が分析。現役時代からヨーロッパのリーグに注目し、数々の試合を通して世界最高峰の戦術、最新の技術を見続けてきた玉田に、選手に焦点をあてて語ってもらった。


チャンピオンズリーグを初めて現地観戦した玉田氏

 本人提供

 今回、初めてチャンピオンズリーグの試合を現地で観る機会を得たので、僕が大好きなマンチェスター・シティの試合をエティハド・スタジアムで見たいと考えて、ラウンド16第2戦のスポルティング戦を観戦しました。

 まず印象深かったのは、選手が整列した時にスタジアムに流れるチャンピオンズリーグ・アンセムでした。これまでテレビでは何度も見ていたシーンでしたが、やっぱり実際にスタジアムであの曲を聞くと、チャンピオンズリーグの現場に自分がいることを実感できて、思わず鳥肌が立ってしまいました。

 試合は、第1戦で5点差がついていたこともあって、シティが少しメンバーを入れ替えながらも、試合をコントロールして戦っていたので、0-0という結果は順当だったと思います。ただ、そのなかでもシティらしさは随所に見られましたし、とくにこの試合では10代の選手がピッチに立って、彼らの才能を垣間見ることもできました。

 右SBでスタメン出場したコンラッド・イーガン=ライリー(19歳)、途中出場したMFジェームズ・マカティー(19歳)とDFルーク・ムベテ=タブ(18歳)など、彼らが今後どんな選手に成長していくのかを見るのが、とても楽しみになりました。

 そのような発見がいろいろと多いチャンピオンズリーグですが、これから始まる準々決勝に向けて、個人的に注目しているFWの選手を5人に絞って紹介したいと思います。

ロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)
 FWを選ぶにあたって、絶対に外せない選手がレヴァンドフスキです。ここまで12ゴールを記録して得点ランキングのトップに立っていますが、彼はFWに必要なすべてのものを持ち合わせている完璧なストライカーだと思います。

 とくに注目しているのが、ボールを持ってからシュートするまでの姿勢と、抜群のファーストタッチです。先日のザルツブルク戦(ラウンド16第2戦)では自らPKを獲得していますが、あのシーンはその典型。ファーストタッチと姿勢がよかったからこそ、PKを獲得できたのだと思います。

 彼はひとりで打開してゴールを決めるタイプではないので、周りの選手との関係性がとても大事になりますが、バイエルンのチームメイトは彼の生かし方をよく理解しているうえ、アシスト能力も高い。彼がゴールを決めることでチーム全体に勢いが出ることを全員がわかっているので、彼にゴールを獲らせようという意図もうかがえます。

 バイエルンが優勝できるかどうかは、レヴァンドフスキにかかっていると思います。


パリ・サンジェルマン相手にハットトリックを決めたベンゼマ

 photo by Getty Images

カリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)
 レヴァンドフスキとプレースタイルは異なりますが、ベンゼマも完璧なストライカーだと思います。共通しているのは、彼がゴールを決めることでチームが波に乗ることができるという点。その意味では、チーム内の役割は似ているところがあります。

 かつてクリスティアーノ・ロナウド(現マンチェスター・U)と一緒にプレーしていた時代は、脇役としてのプレーもしていましたが、現在はその時代に磨き上げた、周りを生かすスキルに加え、本来持ち合わせていた決定力がいかんなく発揮されている印象です。

 最近のレアル・マドリードの試合でよく見るのが、彼が崩しに参加してから最後に自分でフィニッシュするシーンです。うまくてサッカーセンスがあるからできることだと思いますし、それこそが彼の真骨頂ですね。

 とくに最近はヴィニシウス・ジュニオールとのコンビネーションプレーが相乗効果をもたらしているので、そこに注目してみるとベンゼマの特長がよくわかると思います。

ベルナルド・シルバ(マンチェスター・シティ)
 ベルナルド・シルバは攻撃的MFとも言えますが、最近はゼロトップやウイングでもプレーするので、FWとして選出したいと思います。

 彼はプレミアリーグのなかでは173cnと身体も小さくて線も細く、どちらかと言えばフィジカルは強くはないほうだと思いますが、その分、相手がコンタクトできない場所にボールを置いているので、ボールをほとんど奪われないのが魅力です。

 個人的には、彼がゼロトップでプレーする時はボールタッチの回数が減ってしまうので、インサイドハーフでプレーするのがいちばん輝くという印象があります。もちろんゴールやアシストが増えてくれば、さらに相手の脅威になるとは思いますが、彼がボールを運ぶだけで周りの選手が楽にプレーできるので、それだけでも驚異的な選手と言えます。

 とにかく、毎試合見ていて楽しい選手なので、今後も注目していきたいと思います。

リヤド・マフレズ(マンチェスター・シティ)
 もうひとりシティから選んでおきたいのが、僕がスタジアムで観戦したスポルティング戦で最も印象的なプレーを見せてくれたマフレズです。

 あの試合で彼が右サイドでロングパスを受けるシーンがあったのですが、その時に見せたファーストタッチがとにかくすごかった。これまでテレビで彼のそういったプレーは見ていましたが、実際に目の前で見ると感動してしまうほどのレベルで、あれをいとも簡単にやってのけてしまうことに彼の凄みを見た気がします。とにかく、ボールの置き所が抜群で、トラップとドリブルがファーストタッチで一体化していました。

 その後にもドリブル突破から決定的シーンを作ったりしましたが、シティの攻撃が停滞している時ほど、あの独特のリズムのドリブルが攻撃に変化を与えてくれるので、この先、拮抗した相手との試合では彼が不可欠な選手になるはずです。ひとつのプレーで局面を変えられるという点で、マフレズを注目5選手のなかに加えておきたいと思います。

ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリード)
 ジョアン・フェリックスは以前から注目していた選手ですが、当初はアトレティコではなく、他のチームに移籍したほうが彼のよさが発揮できると見ていました。ただ、ここにきてディエゴ・シメオネ監督の信頼を勝ち取って、ようやくFWの一番手にもなってきましたし、彼のプレーから責任感が感じられるようになりました。

 もともと持っている能力は申し分がありませんでしたが、最近はひと回り大きくなった印象で、ラウンド16第1戦で見せたダイビングヘッドのゴールは、彼の充実ぶりを象徴していると思います。プレーの幅も広がりました。

 彼は典型的なCFではなく、少し下がってボールをもらい、ボールと戯れながら、また前線に自分も顔を出せるオールラウンダー。サイドからドリブルでカットインしてからシュートも狙えますし、前線ならどこのポジションでもプレーできるのも強みです。

 これまで我慢してきたことも多かったと思いますので、これからは思う存分、自分らしいプレーをして勝利に貢献してくれるのではないかと思います。

「UEFAチャンピオンズリーグ」2021-22シーズン
WOWOWが全試合を独占生放送・ライブ配信!
WOWOWでは、欧州のクラブNo.1を決める大会「UEFAチャンピオンズリーグ」2021-22シーズンの決勝トーナメントを全試合・独占生放送・ライブ配信する。また番組配信サービス「WOWOWオンデマンド」では無料トライアルも実施中。UEFAヨーロッパリーグとあわせて、世界中のスター選手が集う世界最高峰の戦いを、圧倒的なボリュームでお届けする。

WOWOW「UEFAチャンピオンズリーグ」公式サイト>>

【Profile】
玉田圭司(たまだ・けいじ)
1980年4月11日生まれ、千葉県出身。市立習志野高から99年に柏レイソルに入団。06年からは名古屋グランパスでプレーし、チームのリーグ初優勝に貢献。その後15年からセレッソ大阪、17年から名古屋、19年からV・ファーレン長崎でプレーし、2021年シーズンを最後に引退した。J1通算366試合出場99得点。J2通算164試合出場34得点。日本代表はAマッチ72試合出場16得点。06年ドイツW杯、10年南アフリカW杯メンバー。