日本ハムは18日、日本プロ野球選手会から昨年11月に3選手(大田泰示外野手・現DeNA、西川遥輝外野手・現楽天、秋吉亮投手・現独立リーグ・福井)を「ノンテンダー」として自由契約としたことに対し、この日までに話し合いの場を持ち、認識を確認し合ったことを発表した。日本ハム側のコメントは以下の通り。

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 「今週、日本プロ野球選手会と話し合いの場を設け、昨年11月16日に当球団が公表したフリーエージェント資格取得3選手に関する取り扱いについて、当球団の考え及び経緯を説明し、選手会からの文書で指摘されるような『選手の価値を一方的に下げる』意図など当球団には一切なかったこと、当球団は決められたルールを遵守していることを説明いたしました。その上で、選手会からの要望を真摯(しんし)に受け止め、選手やファンに誤解を与えることがないよう『ノンテンダー』という用語は今後使用しないことを伝えました。当球団は、今回の件を誠実に受け止め、誤解や誤認が生じないよう引き続き努めていく所存です」

 プロ野球選手会は今月7日に、ノンテンダーについて「単に選手の価値を一方的に下げるもの」として、「このような行為をノンテンダーなどと称し、選手やファン、社会一般に誤解を与えることがないように」と日本ハムへ抗議文を提出していた。

 日本では聞きなれない用語である「ノンテンダー」はMLBが導入した制度で、厳密には、メジャー登録日数を満たした正規のFA選手とは区別されているという。

 大リーグでは毎年、メジャー登録年数5年前後の年俸調停権を有する選手の扱いに頭を悩ませてきた経緯がある。これらの選手は基本的に再契約すると年俸が大幅アップするケースが多く、またダウンの場合でも労使協定により20%カットまでしか認められないとあって、不振や故障等で予想年俸に見合わないと判断されると、契約を申請されず、ノンテンダーとされていた。

 日本ハムはこの制度を過去にも適用しており、今回のような騒動になるとは想像していなかったのかもしれない。一方で今回は西川、大田、秋吉といった主力選手が突然、チームを離れることになり、大きなハレーションを巻き起こした。


 ここまで事態が大きくなった背景には日本ハム側の姿勢にも問題があると指摘する声もある。

 「選手が成績を残せなくなったら首を切られるのは当たり前、それがプロ野球の世界ともいえる。一方で各選手、積み上げてきた実績や応援してきたファンの存在がある。戦力外通告、自由契約とするならば、球団もファンに対してきちんと説明することは必要ではないか」(球界関係者)

 球団では昨年同僚へ暴力行為を起こして、巨人に放出した中田に関しても日本ハム側で会見の場を設けなかったことでファンの不興を買い、結局、後に謝罪文を発表するはめになった。今回のノンテンダー問題もここまで問題が大きくなった背景にはファン軽視の姿勢が透けて見えるというのだ。

 いよいよ始まるペナントレースで新庄監督率いる日本ハムの戦いぶりには例年以上にファンの期待も高まっている。今季こそ熱戦に水を差すことのないよう、願うばかりだ。


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