プロ野球2022開幕特集石毛宏典 パ・リーグ順位予想 3月25日、いよいよプロ野球が開幕する。昨年、パ・リーグでは25年…
プロ野球2022開幕特集
石毛宏典 パ・リーグ順位予想
3月25日、いよいよプロ野球が開幕する。昨年、パ・リーグでは25年ぶりにオリックスがリーグ優勝を果たしたが、今年はどんな戦いが繰り広げられるのだろうか。
1980年代~1990年代まで続いた西武の黄金時代に、チームリーダーとして活躍した石毛宏典氏に、今年の展望を聞いた。

石毛が高く評価した、西武ドラフト1位投手の隅田知一郎
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【1位予想:西武】
――西武を1位と予想されましたが、その理由は?
石毛宏典(以下:石毛) 髙橋光成、今井達也、松本航と先発投手陣がいる中に、新人の隅田知一郎が加入しました。同じく新人の佐藤隼輔も中継ぎで使えそうですし、リリーフには増田達至や平良海馬がいます。
増田と平良のどちらがセットアッパー、クローザーになるのかは微妙なところですが、先発は計算できる投手が4、5枚と揃ってきたのかなという気がします。今のところ主な野手にもケガ人がいないですし、源田壮亮や外崎修汰、森友哉、山川穂高、中村剛也、栗山巧あたりがやってくれるだろうと。
気になるのは、一番打者として考えている若林楽人がどうなるかですが、痛めた膝はだいぶよくなっているらしいので期待しています。若林が一番に定着すると、源田らとともに機動力も使えますし、打線が機能すると思います。
――昨年はシーズン序盤、主力にケガ人が多かったですね。
石毛 山川が本塁打を打った際に左ハムストリングを肉離れしたりね......。ケガ人が多く出た分、岸潤一郎や愛斗、呉念庭らが試合に出られて経験は積めたけど、まだ「ひと山いくら」という印象です。「(何人かいる中から)調子のいい野手を使おうか」みたいな感じのところから抜けられていません。金子侑司が育ってこないというのも、首脳陣にとって毎年の誤算ですし。
ただ、呉念庭は複数のポジションを守れるし(2021年は一塁で68試合、二塁で45試合、三塁で35試合、左翼で18試合に出場)、打撃では勝負強さを見せた時期もありました。欠かせない戦力になりつつありますし、どこかのポジションでケガ人が出た時にもこういったユーティリティープレーヤーはありがたいです。
西武に限ったことではありませんが、主力にケガ人が出ないことが一番。ただ、ペナントレースは長丁場で想定外のことが起きますからね。
――今年は投打のバランスが整ってきた印象ですか?
石毛 投打のレベルでいくと、西武がそこそこ安定してるという印象です。やはり隅田の加入が大きい。投球を見ましたが、打ち取り方がいいですね。「いい当たりが正面をついて結果オーライ」ではなく、けっこう打者が崩されているんですよ。打ち取る術を知っている投手だと思いますし、ふた桁勝てるような気がします。ましてや左に好打者が多い野球界で、大きく崩れることがなさそうな、計算できる左投手は大きな戦力になると思います。
――セットアッパー、クローザーに増田投手がなるのか、平良投手がなるのかというお話がありましたが、どう見ていますか?
石毛 増田は年齢的な影響もあるのか、だいぶ力が落ちてきた印象はあるものの、彼が復活すればリリーフに厚みが出ますし大きなポイントだと思っています。今年はシーズンでどんなボールを投げるのか注目しています。
【2位予想:楽天】
――2位に予想されているのが楽天。今年の状態をどう見ていますか?
石毛 田中将大、則本昂大、岸孝之、涌井秀章ら実績のある投手に加え、昨年10勝を挙げた瀧中瞭太、9勝を挙げた早川隆久がいるなど、先発投手の枚数がそろっています。昨年、田中は4勝しかできていないのが不思議なぐらい数字自体はよかったですし。
打線は浅村栄斗がいますが、ほかに長打を打てる打者があまりいないのが不安材料です。新外国人がどれくらいやれるか、というのもありますが、もうひとりくらい長打力のある打者がスタメンにほしいところですね。
【3位~5位予想:オリックス、ロッテ、ソフトバンクのいずれか】
――3位~5位は「甲乙つけがたい」とのことですが、各チームの印象はどうですか?例えばオリックスも、投手陣は絶対的エースの山本由伸投手を中心に充実している印象です。
石毛 投げるほうでは山本、宮城大弥、打つほうでは吉田正尚、杉本裕太郎と柱になるような選手がいるのは大きいと思います。若手では、紅林弘太郎が試合に出て優勝も経験して、ひと皮むけたような感じがしますが、まだ若いので今年はどうなるか。心配なのは、吉田が故障した場合にだいぶ攻撃力が落ちること。そうなった場合、外国人選手をはじめ、他の選手たちがどれだけ穴を埋められるかですね。
――昨年、そのオリックスと優勝争いを繰り広げたロッテはどうでしょうか?
石毛 投手陣はいいと思います。ただ、問題は打線。どうしてもマーティンとレアードに頼りがちで、どちらかが調子を崩したり故障で離脱したら苦しくなりそうです。中村奨吾はいい打者だと思うし、荻野貴司などもいい働きをするんだけど、日本人の打者に柱となる存在がいないので、外国人選手が離脱した時の得点力が懸念されます。
――昨年ポテンシャルの片鱗を見せ、今年は覚醒が期待されている佐々木朗希については、どう見ていますか?
石毛 今年は佐々木がどれくらい勝てるのか注目しています。あと、オープン戦でバッテリーを組んでいた松川虎生。高卒の新人だけどバッティングはまずまずだし、まあまあ肩もいい。僕が監督だったら、開幕戦からシーズンを通して使い続けるかもしれません。打撃が期待できる捕手というのが魅力だし、キャッチングもしっかりしていますから。
あと、佐々木は松川とバッテリーを組んだ時、自分の投げたいボールをちゃんと首を振ったりして投げていますね。先輩の捕手に首を振りにくくても、後輩だったら振りやすいので。ただ、捕手というのは難しい。これから責任も重くのしかかってくるし、野球の怖さをわかってきてパニックになったりするかもしれません。現時点では遮二無二にやっていて、いいと思いますよ。
――昨年はBクラスに甘んじ、藤本博史新監督を迎えたソフトバンクはどうでしょうか。
石毛 藤本監督は2軍で監督を務めていましたし、おそらく育成選手を含めてすべての選手のレベルを把握していると思います。さまざまな選手を試したり、底上げに注力していくと思いますが、シーズンを通じて数字を残してくれそうな選手は少なそうな印象です。
グラシアル、松田宣浩もベテランですし、ケガがちな柳田悠岐や今宮健太はシーズンを通して働けるのか、という不安があります。栗原陵矢は独り立ちしてきましたけど、数字的には物足りません。
一方で投手陣はいいですね。千賀滉大、石川柊太、和田毅、東浜巨、松本裕樹といて、残りの枠で期待されている田中正義らが力を発揮できるか。ただ、先ほど言った野手陣への懸念と、クローザー候補の森唯斗の状態が戻っていないのも不安材料。優勝候補かといえば、今年は難しいかなという印象です。
【6位予想:日本ハム】
――最下位に予想した日本ハムですが、現状をどう見ていますか?
石毛 日本ハムは、投打ともに新人を起用したりしているけど、好材料があまりありません。出塁率がよくて足も使える西川遥輝や、長打が打てる大田泰示がいなくなり、野村佑希や万波中正がどこまでやれるかというところもあるし、五十幡亮汰は腰痛が心配ですね。
投手は上沢直之、伊藤大海はある程度計算できるとして、ほかがいません。オープン戦はいいスタートを切っていましたけど、シーズンに入ると他チームの野球も変わりますし、厳しいかなという印象です。
(石毛宏典の順位予想)
1位 西武
2位 楽天
3~5位 オリックス、ロッテ、ソフトバンクのいずれか
6位 日本ハム