今季終了後にフリーエージェント(FA)となるダルビッシュについて「誰もが欲しがるレンタル選手」だと分析するのが、米データサイト「ファングラフス」だ。■平均先発投手より優れた右腕は「アリエッタ、クルーバー、プライスと同等」 5日(日本時間6日…

今季終了後にフリーエージェント(FA)となるダルビッシュについて「誰もが欲しがるレンタル選手」だと分析するのが、米データサイト「ファングラフス」だ。

■平均先発投手より優れた右腕は「アリエッタ、クルーバー、プライスと同等」

 5日(日本時間6日)の敵地マリナーズ戦で7回1失点の力投を見せたレンジャーズのダルビッシュ有投手。これで先発3試合連続でクオリティスタート(QS)を達成した右腕だが、一方チームは5日の試合終了現在で13勝17敗と出遅れている。

 野手のリーダー的存在でもあるエイドリアン・ベルトレは右ふくらはぎの負傷で故障者リスト(DL)入り。ダルビッシュと並び左のエースとして期待されるコール・ハメルズは3日(同4日)に右脇腹を痛めてDL入りし、戦列復帰まで最低8週間を要すると見込まれている。悲願のワールドシリーズ制覇を目指すチームに追い風となる要素を見つけづらい状況にある中で、今季終了後にフリーエージェント(FA)となるダルビッシュについて「誰もが欲しがるレンタル選手」だと分析するのが、米データサイト「ファングラフス」だ。

 最近の傾向として、ペナントレースから脱落したチームは、7月31日にやってくるウェーバー手続きを経ないで可能なトレード期限を前に、シーズン終了後にFAとなるトップ選手をトレードに出している。契約延長をしないのであれば、シーズン終了後にみすみす他球団への移籍を見守るのではなく、シーズン中に若手有望株とトレードした方が、チームには何かしらの見返りが残るからだ。また、昨年のアロルディス・チャップマンとヤンキースのように、シーズン半ばで他球団(カブス)にトレードに出しながらも、FAとなった後で再び契約を結ぶこと可能だ。

 記事では、レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは「この夏、ダルビッシュをオークションに掛けることになりそうだ」と“予測”。球場や所属するリーグの影響を加味したERA-(防御率の指数)、FIP-(守備に影響されない失点率の指数)、xFIP-(被本塁打による影響を補正したFIP-)を見ると、メジャー通算でERA-は77、FIP-は77、xFIP-は78という数字を残しているそうだ。各数値とも一般に100を下回るほど高く評価されるが、記事によれば30歳右腕は「平均的な先発投手よりも約25パーセント優れており、カーショーまではいかないが、ジェイク・アリエッタ、コーリー・クルーバー、デービッド・プライスらと同じレベル」にあるそうだ。

■トレード候補球団に若手有望株の多いカブスとヤンキース

 現時点での先発投手の様子や今季終了後のFA市場を考えた場合、記事ではダルビッシュをトレードに出す見返りとして「トップ50入りする若手有望株と期待できそうな2選手」が妥当だと予想。同時に、レンジャーズは「プライスやグリンキーに近い価値を期待しているだろう」とリポートしている。

 ダルビッシュを戦力として必要とし、妥当なトレード要員が用意できるチームはどこか。記事では、その筆頭候補として、上原浩治の所属するカブスを挙げている。「第5の先発が固定できないカブスは、チーム屈指の投手たちの球速や投球内容が低下している」と指摘した上で「この夏、間違いなく投手を補強する」と断言。昨季のチャップマンのトレードも踏まえ、必要と感じればチームにひしめく若手選手たちを喜んで放出するだろうと予想している。

 また、もう1つの候補としてヤンキースを挙げている。「ダルビッシュは、現在ヤンキースに欠けている正式なNO1先発投手になれるだろう」と予測。ここ2年ほどで潤沢となった若手選手層があれば、トレードに応じられると見ているようだ。さらに、ダルビッシュが今オフFAになった場合、ヤンキースが獲得に乗り出すと予想。「交渉を有利に進めたり、ニューヨークで投げることに慣れるためにも」トレードで大きな見返りを払う価値はあると見ている。

 ダルビッシュは予想通りにトレードに出されるのか。あるいはレンジャーズが巻き返し、プレーオフ進出を果たすのか。今オフのFA市場も含め、しばらくダルビッシュから目が離せなさそうだ。