NCAAディビジョン1の全米選手権でトランスジェンダーとして初の優勝 17日(日本時間18日)に米ジョージア州アトランタで行われた全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1の全米選手権で、ペンシルベニア大の女子競泳選手でトランスジェンダーの…

NCAAディビジョン1の全米選手権でトランスジェンダーとして初の優勝

 17日(日本時間18日)に米ジョージア州アトランタで行われた全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1の全米選手権で、ペンシルベニア大の女子競泳選手でトランスジェンダーのリア・トーマスが500ヤード自由形で優勝。昨年の東京五輪女子400メートル個人メドレーで銀メダルを獲得したエマ・ワイアントらを抑えた勝利に、米メディアが脚光を浴びせている。

 数年前まで男子チームに所属していたトーマスはレース前半、東京五輪1500メートル銀メダリストのエリカ・サリバンを追いかける展開となったが逆転。後半はワイアントと接戦を繰り広げるも、最後の150ヤードで突き放し、1秒75差をつけて4分33秒24で優勝した。

 米スポーツ専門局「ESPN」は「抗議の中、ペンシルベニア大競泳選手リア・トーマスが知られている中では初のディビジョン1全米選手権を制したトランスジェンダーのアスリートになる」との見出しで記事を掲載した。記事では「各選手への声援が観客から起きる中、トーマスの紹介時は明らかに静かだった」と紹介した。

 トーマスは、レース後「できる限り周囲の声を無視するよう努めた」「自分の泳ぎとレースへ準備するために必要なことに集中した。他のことは遮断するようにした」とコメントしたという。この日、会場の外では20人ほどの抗議グループがトーマスの大会参加に反対の姿勢を示し、「女性たちのために公平なスポーツを支持する」などとかかれたプラカードを掲げてシュプレヒコールを上げた。

 トーマスは、昨年12月の米大学大会「ジッピー・インビテーショナル」で200ヤードと500ヤードの自由形で優勝。NCAAのシーズン記録を更新した。2月に行われたアイビーリーグ選手権でも100ヤード、200ヤード、500ヤードの自由形を制していた。全米選手権では18日(同19日)に200ヤード自由形、翌日に100ヤード自由形に出場する。(THE ANSWER編集部)