来日3年目のスペイン代表経験者、秋田戦で驚異的な活躍「リバウンドを制するものは試合を制す!!」 これは不朽の名作漫画『S…
来日3年目のスペイン代表経験者、秋田戦で驚異的な活躍
「リバウンドを制するものは試合を制す!!」
これは不朽の名作漫画『SLAM DUNK』で赤木剛憲が発した金言だ。
3月16日に行われたバスケットボールB1リーグのアルバルク東京VS秋田ノーザンハピネッツ戦は、まさにリバウンドが結果を左右した試合だった。トータルのリバウンドを比較すると、東京が46本で秋田は31本。それが79-69というスコアにつながっていた。
特筆すべきは1人で26リバウンドを記録し、B1の1試合最多記録を塗り替えたA東京のセバスチャン・サイズだ。
A東京にとって、16日の試合は“絶対に負けられない戦い”だった。秋田には12月のアウェー戦で連敗しており、今季の通算成績は1勝2敗。またB1東地区の上位争いも激戦で、4チームが勝率7割台で競り合っている。有利な順位、会場でチャンピオンシップに進むためにも、終盤戦の「1勝」が重くなる。そんな大一番のヒーローがサイズだった。
サイズは205センチ・106キロのインサイドプレーヤーだ。ワールドカップ予選にスペイン代表として出場したキャリアを持ち、今季が来日3年目。2020-21シーズンは千葉のB1制覇に貢献し、A東京が移籍金を負担して彼を引き抜いた。
「高さ」「強さ」で彼を上回る選手は少なくない。しかしサイズは跳躍力と機動力、そして献身性に圧倒的な強みがある。彼はそのままパリコレクションのランウェーを歩けそうな手足の長い“モデル体型”の持ち主で、ウイングスパンはなんと7フィート6インチ(約231センチ)。跳躍力と腕の長さの相乗効果で、最高到達点はおそらくB1最高だろう。
ただし今回の驚異的なスタッツには、チームメートの負傷というネガティブな背景もある。ライアン・ロシターは左下腿筋損傷で、3月6日の三遠ネオフェニックス戦以降の3試合を欠場中。日本国籍(帰化選手)のビッグマン不在は、チームに様々な影響を与える。
ルカ・パヴィチェヴィッチ・ヘッドコーチ(HC)は選手を満遍なく起用するタイプの指揮官だが、背に腹は変えられない。相手ビッグマンとのマッチアップを考えれば、ロシターとコンビで起用されていたジョーダン・テイラーの出場時間も減らさざるを得ず、逆に直近の試合はアレックス・カークとサイズのプレータイムが30分台を超えている。
「一つでも多く」ではなく「取れる限り取ろう」という意識
今季のサイズはベンチスタートが多く、平均出場時間も26分ほどに抑えられていた。他の外国籍選手より少ない出場時間でB1最多のリバウンド獲得数を記録していた選手が、普段より10分近く多くプレーするのだから、これくらいの数字になるのは当然かもしれない。
9日の新潟アルビレックスBB戦でも、サイズは34得点23リバウンドを記録している。そして中6日の秋田戦で、彼は34分56秒の出場で18得点26リバウンドを叩き出した。
ルカHCは、試合後にこう述べていた。
「秋田はオフェンスリバウンドが強いチーム。我々のビッグマンが相手のセンター陣に、オフェンスリバウンドを取られなかった」
サイズの奮闘についてはこう口にする。
「エネルギッシュで、フィジカル面も素晴らしい。ビッグマンの核となる選手で、チームに貢献している。試合ごとに良くなっているので、チャンピオンシップに向けて、彼の活躍はチームにとって欠かせない」
試合直後のヒーローインタビューでは、日本語で「ツカレタ」とぼやいていたサイズだが、記者会見では普段のエネルギッシュな姿に戻り、出場時間の長さについて問われると、こう言い切っていた。
「40分出るならフルに出し切るメンタリティで、常に全力でプレーすることを考えている。分数は特別に考えていません」
そして26本というリバウンド数については、自分の“貪欲さ”を理由に挙げ、「『一つでも多く』ではなく『取れる限り取ろう』という意識があります。リバウンドの数が増えれば増えるほど、チームは勝利に一歩近づける。今後の試合でもリバウンドと、他の役割を果たしたい」と、さらなる活躍を誓っていた。(大島 和人 / Kazuto Oshima)