プロ野球2022開幕特集広島・小園海斗インタビュー 2019年に高卒ルーキーながら開幕一軍入りを果たし、将来を嘱望された…
プロ野球2022開幕特集
広島・小園海斗インタビュー
2019年に高卒ルーキーながら開幕一軍入りを果たし、将来を嘱望された広島・小園海斗。だが2年目はわずか3試合の出場に終わり、翌2021年の春季キャンプも二軍スタートとなった。それでもファームからはい上がり一軍でも結果を残すと、113試合に出場して規定打席に到達。打率.298、5本塁打、35打点をマークした。不動のレギュラーとして期待がかかる小園に、4年目のシーズンに向けた思いを聞いた。

昨シーズン、113試合に出場し打率.298をマークした広島・小園海斗
守備はチームの勝敗につながる
── 昨年の春季キャンプは二軍スタートでしたが、今年は一軍スタート。首脳陣からの信頼度は、昨年とはまったく違うように感じられます。
「守備も、走塁もまだまだです。とくに守備は、小窪(哲也)コーチはもちろん、キクさん(菊池涼介)にも教えてもらいながらやっています。周りから見て、こう思われているんだなというのがわかる。(上本)崇司さんとも一緒にノックを受けさせてもらって、いろいろ聞くことができました。同じ内野手なので、あまり簡単に教えてくれるものではないと思うのですが、先輩方が優しく教えてくださるので、本当に環境に恵まれているなと。教えてもらいながら、自分のなかでも(課題を)潰すことができていると思います」
── とくに菊池選手は二遊間を組むパートナーだけに、連携を高める時間にもなったのではないですか。
「そうですね。だいたいのことはわかっていますが、そのなかで足りないところが僕には多い。僕がいかにキクさんをラクにプレーさせることができるかによって、変わってくると思うんです。それがチームのためにもなる。昨年までは迷惑ばかりかけていましたから。それでもいろいろと教えてくださるので、今年はしっかりやっていけるようにと思っています」
── 昨季10失策を記録したものの、球際の強さが増した印象があります。
「ちょっとずつバウンドの合わせ方だったり、準備の仕方だったりができるようになったのかなと。『ここ飛んできそうだな』とか、『この打者よく飛んでくるよな』という、だいたいの予測ができるようになったところもあります。(天然芝と土の本拠地)マツダ(スタジアム)はとくに難しいですが、やるしかない。そこはメンタル、気合です」
── 昨年、遊撃のレギュラーとして113試合に出場しました。
「すごくいい経験をさせていただきました。とくに守備は自分ひとりのことだけではなく、チームの勝敗につながる。そこは強く感じました」
── 遊撃は"花形のポジション"と言われる、大事なポジションです。
「そうですね。プレッシャーしかないですけど、『気にせず思いきってやれよ』と言ってくれるので、背中を押してもらいながらやれている感じです。ベンチでも声をかけてもらっていますし、自分もそういう選手になっていけるようにやっていきたいです」
二軍スタートが逆によかった
── 1年目は高卒新人で開幕一軍入りして58試合に出場しましたが、2年目はわずか3試合の出場にとどまりました。入団から2年目までを振り返って、何か感じることはありますか。
「自分なりに考えてやっていたとは思うんです。準備もしていましたけど、考え方が甘かったのかなと。しっかり頭を整理して......というのが全然できていなかった。1、2年目ではなかなか難しいことですけど、もっとできたという感覚はあります。2年目の終盤あたりからちょっとずつできるようになってきたのかなと」
── 昨年の春季キャンプは一軍ではなく二軍スタートでした。オープン戦に入っても一軍に呼ばれないなど、不遇とも言える時間だったように感じます。
「もちろん悔しかったです。でも、チャンスがないとは思っていませんでした。結果を出していれば、(一軍に)呼んでもらえると思っていたので、そこまで悪くは考えていませんでした。最終的にこうやって数字を残せたので、結果オーライではないですけど、逆によかったのかなと。自分自身のことを考える時間が多くとれましたから」
── ウエスタンリーグで結果を残し、4月22日に一軍に昇格。新型コロナウイルス感染で一時離脱する期間もありましたが、最終的にレギュラーに定着しました。昨年の成績についてはどうとらえていますか。
「もちろん、すべてに満足はしていません。ただ成績(数字)については、多少意識することはありますが、そこまで大きく考えていません。結果を気にして消極的になったりするのが好きじゃないので。今シーズンについては、正直『どうかな』『怖いな』という気持ちはありますが、受け身にならないことが大事だと思っています。ショートでスタメンを勝ちとれるように、まずはそこだと思います」
根尾には負けないように
── 中日の根尾昂選手やロッテの藤原恭大選手ら同世代の選手は意識しますか。
「根尾は同じリーグでやっているので、意識というのはおかしいですが、とにかく負けないように頑張ろうと思っています」
── チームのなかで不動のレギュラー、主力となっていくことが期待されます。
「元気を出してやっていかなければいけない。そのなかで、昨年経験させてもらったことを後輩や、迷っている同期に自分なりに伝えていければと思っています。練習から一生懸命取り組んでいくことで、『あいつなら任せてもいい』と思われるよう、みんなから信頼される選手になっていきたいです」
── 最後に今季の目標を教えてください。
「ショートとして全試合に出場したい。そして最後は笑って終われるように。カープに入団してからまだAクラスで終わったことがないので、なんとか達成できるようにしたいです。Aクラスに入ればまた違う景色が見えると思いますし、違う感覚も出てくると思う。そういった経験ができるよう、チームに貢献していきたいと思います」
小園海斗(こぞの・かいと)
2000年6月7日、兵庫県生まれ。報徳学園では1年春からベンチ入りし、2度甲子園に出場。2018年ドラフト1位で広島に入団。1年目から58試合の出場を果たすなど大きな期待を寄せられるも、2年目はわずか3試合の出場に終わる。昨年は開幕こそ二軍スタートだったが、一軍昇格後は好調を維持し、113試合に出場し打率.298、5本塁打、35打点をマークした