プロ野球2022開幕特集日本ハム・根本悠楓インタビュー「BIG BOSS」こと新庄剛志監督の奇抜なパフォーマンスや独自の…
プロ野球2022開幕特集
日本ハム・根本悠楓インタビュー
「BIG BOSS」こと新庄剛志監督の奇抜なパフォーマンスや独自のスタイルで注目を集めている北海道日本ハムファイターズ。ユニフォームも新調し、チーム再建に向けて新たなスタートをきったが、そんな「新生ファイターズ」のカギを握るひとりが、地元・北海道出身の根本悠楓だ。中学時代に全国大会決勝で完全試合を達成したこともある左腕は、どんな活躍を見せてくれるのか。開幕を前に意気込みを語ってもらった。

プロ2年目の日本ハム・根本悠楓
全国大会決勝で快挙達成
── 北海道白老郡白老町出身。観光大使になったつもりで町の紹介をしてください。
「すごく栄えているというわけではないですけど、森林が多くて、海や川、山などさまざまな自然に溢れています。海産物も美味しくて、今でも帰るとホッとします。自分、都会とか人混みとか苦手なので、田舎好きな人にとっては最高ですよ(笑)」
── どんな子どもだったんですか?
「とくに野球の漫画やアニメには興味がなくて、子どもの頃は『ドラゴンボール』にハマっていました。あとは同じ北海道ということもあって、日本ハムファイターズの大谷翔平選手(現・エンゼルス)が大好きでした。投げてもエグかったですが、自分はとくに大谷選手のバッティングが好きでしたね」
── 野球はいつから始めたんですか?
「正式には小学校1年生ですが、親に聞いたら2歳くらいから壁当てをしていたらしいです。従兄弟が野球をやっていたので、自分もやりたいなあって。子どもの頃からボールを使うスポーツは得意でした。バスケとかサッカーとか、わりと何でもできちゃう感じでしたね」
── 白翔中学時代の2017年に全国中学軟式野球大会で日本一に。しかも決勝戦で完全試合を達成しました。
「完全試合自体は、その時はあんまり。それよりも日本一になったことのほうがうれしかったですね。あとになって『オレ、完全試合やったんだ』ってジワジワきました(笑)」
── プロ野球を意識したのも、日本一がきっかけですか?
「そうです。小学校の時から夢はプロ野球選手になることだったんですが、中学時代に本格的に目指そうとなって。それで全国でたくさんのピッチャーを見た時に、ピッチャーとしてなら結構通用できるなと感じたので、このまま行けばプロになれるかもしれないと思いました」
地元の高校に進んだワケ
── 高校は苫小牧中央高校に進学されましたが、なぜ甲子園に近い強豪の駒大苫小牧ではなかったんですか?
「駒大苫小牧は道外の選手が多くて、逆に苫小牧中央は本当に地元をはじめ、道内の人しかいなくて、そういう学校で野球をやりたいなと思って......僕自身はかなり前から苫小牧中央に行きたいと思っていました。中学の野球部の仲間みんなで行くというのではなく、(一緒に入部したのは)2、3人ぐらいでした。中学時代のチームメイトは、結構バラバラに分かれました」
── そういえば武田勝投手コーチとは、2017年の静岡で行なわれたU−15アジア選手権で一緒になったそうですね。その大会、根本選手は最優秀投手に選ばれて、日本もアジア王者になりました。
「あまりしゃべるタイプじゃないんですけど、中学時代は今よりもしゃべらなくて、武田コーチとも会話した記憶がほとんどなくて(笑)。昨シーズン、ファームで1年間やって、自分に足りないところを考えた時に、チェンジアップの精度を高めたいと思い、思いきって武田コーチに『教えてください!』って言いました。同じ左腕ですし、共通点も多いかなと思いまして」
── 武田コーチも『あいつから言ってくるのは珍しい』と言ってました(笑)。具体的にはどんなポイントを教えてもらったんですか?
「チェンジアップを投げる際、どうしても横から腕を振ってしまっていたので、『もっと前で、ストレートみたいにボールを放ってみろ』と。握りは自分の投げやすいようにしていますが、放るところを変えたことで、だいぶストライクゾーンに入るようになってきたので、いい段階かなと。オープン戦では、真っすぐで押せてますけど、疲れが出て真っすぐが走らなくなってきた時にどう組み立てられるかが課題なので、(武田コーチに)教えてもらってよかったなと思います」

参考にしている投手は?
── 昨シーズン、年齢的には1つ上ですが奥川恭伸(ヤクルト)投手や宮城大弥(オリックス)投手といった、プロ2年目だった投手が活躍しました。今年は根本投手がプロ2年目です。
「すごく刺激になっています。とくに宮城投手は身長も同じくらい(根本173センチ/宮城171センチ)で、しかも左投げですし、自分と重ねて参考にしている部分が多いです。緩いボールの使い方は真似していますし、自分の成長のプラスにできるかなと」
── 宮城投手のどのあたりにすごさを感じますか?
「遅い球。カーブも100キロちょっとで、チェンジアップも抜け感があるので、あれがほんとすごいなと。自分はまだまだなので、そこをなんとかモノにしたいです」
── 今シーズン、ファイターズは新庄剛志さんが監督に、いや"BIG BOSS"に就任されました。
「初めて会った時からオーラに圧倒されました。しゃべったりもしたんですが、すごい人だなとあらためて感じましたね。キャンプでも『テンポいいね』って褒めてもらったので、そこは自分の持ち味ですし、崩さずにシーズンでもやっていけたらと思います。それとマウンドでは弱気にならないというところもBIG BOSSに見てほしいです」
── 今シーズンの公約があれば教えてください。
「一軍で3勝挙げるのが目標なので、それでお願いします」
根本悠楓(ねもと・はるか)
2003年3月31日、北海道生まれ。白翔中学時代に全国中学軟式野球大会決勝で完全試合を達成し、チームを日本一へと導いた。苫小牧中央高校時代は甲子園出場こそ果たせなかったが、日本ハムからドラフト5巡目で指名を受け入団。1年目の昨年はファームで12試合に登板し1勝1敗、防御率1.82