■先発やシステムには必要以上に手を加えない 3月24日のオーストラリア戦は、2月1日のサウジアラビア戦以来のゲームだ。…

■先発やシステムには必要以上に手を加えない

 3月24日のオーストラリア戦は、2月1日のサウジアラビア戦以来のゲームだ。1か月半以上の空白があるうえに、苦手としてきた連戦の初戦である。

 さらに言えば、ヨーロッパ組は中東や東南アジアより長い移動を強いられる。国内組は20日午前にシドニーへ到着するが、海外組が揃うのはその2日後の22日──試合2日前の見込みだ。

 オーストラリアは昨年11月のサウジアラビア戦と、今年1月のベトナム戦を有観客で開催した。どちらも2万人以上の観衆が詰めかけた。3月24日も、スタジアムはアウェイの雰囲気に包まれるだろう。

 これまで以上に過酷な条件に直面するなかで、引き分け以上の結果を持ち帰らなければならないのだ。先発メンバーやシステムに、必要以上の手を加えるのは得策ではない。ここは「継続性」を重視するべきだ。

 スタメンを予想するならば、GKは権田修一で、右サイドバックは酒井宏樹、右CBは吉田麻也、左CBは板倉滉、左サイドバックは中山雄太とする。ケガで招集外の冨安健洋に代わる左CBには板倉を予想するが、谷口彰悟の先発も有り得る。どちらが出場しても不安はない。吉田と冨安が欠場した直近2試合で、彼らは信頼に足るパフォーマンスを見せた。

 左SBについては、現実的には長友佑都が選ばれるのだろう。35歳のベテランは所属するFC東京で難しい立場にあるものの、昨年9月のオマーン戦に当時無所属で出場し、ブランクを感じさせないプレーを見せた。文字どおりの大一番となるオーストラリア戦では、彼の経験はチームの支えになる。長友のスタメン起用は、継続性を満たすことにもなる。

 それでも中山を先発としたのは、オーストラリアの高さに備えるためだ。相手がどのような入りかたをしてくるとしても、日本が前半から押し込む展開は考えにくい。自陣での攻防が多くなる想定に立つと、強度と高さを備える中山をチョイスしてもいい。最終予選に入って途中出場を続けている彼の先発起用を、継続性の一部と考えることにも無理はないだろう。

■相手の分析を上回る一手を!

 中盤から前線は、これまでと変わらない。遠藤航守田英正田中碧の3人で中盤を構成し、前線に伊東純也大迫勇也南野拓実を配する。変える必要がないと言える。

 奇しくも昨年10月のオーストラリア戦から、日本は4-3-3のシステムを採用し、メンバーも固定されてきた。対戦相手からすれば、分析しやすいところはあるだろう。

 前回のオーストラリア戦では、後半からロングボールを多く浴びた。前半の日本がカウンターを効果的に発動させていたことで、ボールを失うリスクを回避してきたのだろう。

 オーストラリアのアーノルド監督は、今回も様々な手を打ってくるに違いない。森保監督も5枚の交代カードを有効に使い、引き分け以上の結果をつかむのだ。試合中のベンチワークは、いつも以上に重要になる。同点で終盤を迎えたら、そのまま押し切るための明確なメッセージを発信しなければならない。

 攻撃的なカードについては、三笘薫の復帰が大きい。浅野拓磨前田大然のスピードも、速さより強さや高さを強みとする相手守備陣に効果的だろう。

 旗手怜央戦術的な選択肢を拡げる。森保監督は所属クラブと同じインサイドハーフでの起用を想定しているが、このマルチタレントはサイドバックやウイングでもプレーできる。スコアや時間帯に応じて、異なる役割を託すこともできるはずだ。

 オーストラリアを下して、W杯出場を決めることができるのか、

 あるいは、ベトナム戦につながる結果を、持ち帰ることができるのか。

 日本サッカー界にとって運命の一戦は、3月24日の日本時間18時10分にキックオフされる。

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