イチローは2001年にMLBに移籍し、17年にわたって一度もマイナー落ちすることなく、第一線でプレーしてきた。この間に多くの選手とチームメイトになったが、今、NPBで活躍している選手の中にも元チームメイトがたくさんいることをご存じだろうか?…

イチローは2001年にMLBに移籍し、17年にわたって一度もマイナー落ちすることなく、第一線でプレーしてきた。この間に多くの選手とチームメイトになったが、今、NPBで活躍している選手の中にも元チームメイトがたくさんいることをご存じだろうか?

■現役生活26年目のイチロー、オリックス時代の盟友は2014年にすべて引退

 イチローは2001年にMLBに移籍し、17年にわたって一度もマイナー落ちすることなく、第一線でプレーしてきた。この間に多くの選手とチームメイトになったが、今、NPBで活躍している選手の中にも元チームメイトがたくさんいることをご存じだろうか?

 一緒にプレーした期間が最も長かったのが、DeNAで主軸を打つホセ・ロペス。2004年から2010年まで7シーズンにわたり、マリナーズでチームメイトだった。当時ロペスは二塁手。イチローと1、2番コンビを組むことも多く、2006年には2人そろってオールスターに選出されている。

 マリナーズでチームメイトだった選手は多い。ヤクルトのウラディミール・バレンティンは、有望な若手外野手として2007年にメジャーデビュー。翌2008年には、右翼手、中堅手としてイチローと共に外野を守った。しかし、2009年シーズン中に戦力外となり、レッズに移籍した。

 阪神のランディ・メッセンジャーは、2008年から2季にわたり中継ぎ投手として在籍。2年で25試合に登板したが、2009年限りでFAとなり、翌年、阪神に移籍している。

 その後に大型外野手として期待されたのが、楽天のカルロス・ペゲーロ。デビューした2011年には、特大の本塁打を連発してイチローを驚かせた。

 2011年は、ヤクルトのジョシュ・ルーキもマリナーズでメジャーデビュー。救援投手としてイチローをバックに25試合に投げている。

 その翌年2012年7月に、イチローは長年過ごしたマリナーズからヤンキースにトレード移籍した。

 移籍直後の7月29日から3日間だけイチローのチームメイトになったのが、広島のラミロ・ペーニャだ。この年、ペーニャが唯一メジャー昇格した3日間をイチローと共に過ごした偶然はすごい。

■マリナーズでは5人、ヤンキースでは3人、マーリンズは1人

 翌2013年7月、ヤンキースでチームメイトになったのが、巨人にいるルイス・クルーズだ。1か月だけ共にプレーした。

 2014年7月には楽天にいるゼラス・ウィーラーがヤンキースでメジャーデビュー。本来三塁手だが、イチローに代わって5試合に右翼手として先発している。

 イチローは2015年から現在プレーするマーリンズに移籍した。

 巨人のケーシー・マギーは、2013年楽天でプレーしたのち2014年にマーリンズに移籍。この年カムバック賞を獲得したが、翌年はトレードでジャイアンツへ移り、青木宣親とチームメイトになった。2015年7月には再びマーリンズに戻り、3か月だけイチローのチームメイトになった。

 現役の外国人選手の中で、イチローのチームメイトだったのは以上の9人。

 実は、現在NPBに在籍する現役選手で、イチローとオリックス時代にチームメイトだった選手は1人もいない。2015年に引退した谷佳知、中嶋聡をを最後に、全員が現役を退いている。

 今、日本でチームメイトとしてイチローのプレーを語ることができるのは、9人の外国人選手と、2012年4月から7月まで、マリナーズでチームメイトだったソフトバンクの川﨑宗則だけだ。

 こうして見ると、どれだけ長い期間、イチローがMLBで活躍したかが分かる。

 彼らにとってイチローは、仰ぎ見るような存在だったはずだ。イチローのプレーを通してNPBのレベルの高さを知り、日本にやってきた。活躍している選手が多いのは、そういう背景があるからではないだろうか。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo