マイナーチェンジを受けた現役世代も健在だが、フルサイズの日産の1BOX(キャブオーバー)といえば『キャラバン/ホーミー』がおなじみだ。今回は今でも印象深い初期~3代目までを振り返ってみたい。ホーマー、ホーミー(1964年、1965年)『キャ…

マイナーチェンジを受けた現役世代も健在だが、フルサイズの日産の1BOX(キャブオーバー)といえば『キャラバン/ホーミー』がおなじみだ。今回は今でも印象深い初期~3代目までを振り返ってみたい。

ホーマー、ホーミー(1964年、1965年)
『キャラバン』『ホーミー』は初代『エルグランド』まで引き継がれた車名だったが、当初から兄弟車の関係にある訳ではなかった。もともとは『ホーミー』のほうが先に存在し、それは日産と合併前のプリンスのキャブオーバーで1965年の登場。さらにその前、1964年にトラックの『ホーマー』が登場しており、このトラックが1ボックス化したのが『ホーミー』だった。

写真は当時の総合カタログに載っていた時のもので、『ホーミー』は15人乗り、1600cc・75psとなっている。

キャラバン(初代・1973年)
写真のカタログの世代が『キャラバン』の初代。そして1976年に『ホーミー』が追加され兄弟車となった最初の世代でもある。「そうそう、このグリーンあったね」と懐かしく思う方も多いと思うが、実はスライドドアのレールをモールで目立たなくしてある画期的なデザインが採用されていた。

ホイールベースは2種類(2350mmと2730mm)を設定。バンとマイクロバスの「コーチ」(9/10/15人乗り)があり、さらにバン標準ルーフォのほかにハイルーフも用意、ほとんどのモデルでガソリンとディーゼルが設定されていた。

キャラバン/ホーミー(2代目・1980年)
丸みを帯びた外観の初代のイメージを受け継いで登場した2代目。当時のRVブームの中で、手作りでキャンピングカーに仕立てるオーナーなどにも人気が高かった。

写真のカタログは1982年のものだが、“日産の最高級ワンボックスセダン「キャラバンコーチ」”などと書かれており、肘掛け付きで回転するリムジンシートの設定、フロアトルコンなどが特徴。それと81ps/16.5kgmの性能を発揮するLD20・T型、2リットル・ディーゼルターボも登場。

キャラバン/ホーミー・3代目(1986年)
1986年に一新され3代目へと進化したこの世代。写真のカタログは1995年のものだが、乗用車系の「コーチ」はますます豪華指向が強まった。ガソリンエンジンにV6の3リットル(VG30E型)が搭載されていたのは、上級志向の象徴。

バリエーション展開も「ロイヤル」「リムジン」「GTクルーズ」などが訴求グレードで、いずれも快適性にこだわった上質な室内空間とし、その上で多彩なシートアレンジも可能とした実用性の高さも確保していた。エアバッグ、前輪ベンチレーテッドディスクブレーキなどの装備も設定されている。