過去10年、金鯱賞では差しが最多6勝だが、3月開催にスライドした2017年以降の過去5年で集計すると、差しは2勝に留まる。代わりに台頭しているのが逃げで、過去5年で馬券に絡んだのは4頭と、その馬券内率は80.0%を誇る。
集計
逃げ
先行
差し
追込
■過去10年
【1-2-1-6】
【3-4-2-26】
【6-4-7-28】
【0-0-1-37】
■17年以降
【1-2-1-1】
【2-1-1-14】
【2-2-3-10】
【0-0-0-20】
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昨年も10頭立て10番人気のギベオンが牝馬三冠・デアリンクタクトを抑えての逃げ切りで大金星を挙げ、20年にはダイワキャグニーが6番人気で3着、18年は8番人気のサトノノブレスが2着、17年は7番人気のロードヴァンドールが2着と、人気薄の逃げが波乱を演出している。
しかし、今年は逃げ・先行が多く、ここに「穴馬」を求めるのは早計か。終いの脚も使えるジャックドールを除けば、ギベオン、ショウナンバルディ、レイパパレらは早めの競馬が理想のかたちで、これら逃げ・先行勢が崩れる展開になっても不思議はない。今回は後方待機の盲点を突く。
■アラタ
昨年4月に1勝クラスを突破すると、4連勝でオープンのケフェウスSを制覇。久々の重賞挑戦となった前走・福島記念では1番人気に支持されたものの、パンサラッサの大逃げを許して3着となったが、縦長で仕掛けどころが難しい展開の中、後方からよく追い込んでいた。
中京では前述のケフェウスS勝ちのほか、1勝クラスで2着の実績があり、ここまで2戦して連対率は100%。近走はスタートが安定してきたり、馬群の中からでも競馬ができたりと、戦法の幅が広がったことが飛躍の根拠となっており、今なら得意コースでの重賞初制覇を期待できる。
出走メンバーの違いがあるにせよ、条件が好転し展開も向きそうなのに、前走重賞1番人気馬が伏兵視されているのはオイシイのひと言。買い目には加えておきたいところだ。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長 元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。