V奪回を目指すソフトバンクで三塁の定位置争いが激化している。
巨人とのオープン戦2連戦では8日の試合で先制弾を含む5打点をあげた井上が9日の試合でもマルチ安打をマークし、オープン戦打率4割にのせてきた。
ベテランも負けてはいない。9日の試合に「6番・一塁」で先発出場した松田も第1打席で右前打を放つと、第3打席でも右翼への二塁打をマークとマルチ安打とした。さらに大型野手として注目を集めるリチャードも8回に巨人ルーキー・大勢の直球を捉えて、中前適時打とするなど、ホットコーナーをめぐってアピール合戦となっている。
この状況に藤本監督も「みんな打ちだした。こっちを悩ませてくれたらありがたい」とうれしい悲鳴を上げたほど。
ぐんぐんと注目度が急上昇しているのは高卒2年目の井上朋也内野手(19)だ。若手アピールの「最終テスト」と位置づけた8日の巨人戦で先制2ランを含む2安打5打点と大暴れ。ここまで三塁手争いは松田、リチャードの一騎打ちと見られていたが、ダークホースまで巻き込み、勝負の行方は混沌としてきた。
一方で三塁手に求められる条件としてはこのような見方もある。
「三塁、遊撃というのはピンチに陥ったときの投手への声掛けも大事になってくる。一息つかせる意味で、リズムを作る声掛けができるか、どうか。ヤクルトの村上も昨年、その点でも大きく成長したといわれているが、果たして、リチャードや高卒2年目の井上がその点をどうクリアしていくかも注目となる」(球界関係者)
実際にリチャードはこのポイントについて、すでに「注意」を受けている。2月24日に宮崎で行われたロッテとの練習試合で三塁に入ったリチャードはピンチに陥った投手への声掛けが少なかったことで「自分のことしか見えていない。それでは野球にならない。叱っておきました」と藤本監督は試合後にコメントしている。チームを円滑に回していく意味でもより広い視野が求められている。
一方、この点ではチームを鼓舞する円熟の声掛けでも知られるベテランの松田が有利となる。「若手には負けない」と腕をぶすベテランか、勢いに乗る若手か。し烈さを増すソフトバンクのホットコーナー争いから目が離せなくなってきた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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