左脇を開けて手首を返さない打撃練習「ゴロになってしまうことが多かった」 プロ6年目・23歳の右の大砲に、確かなブレークの…

左脇を開けて手首を返さない打撃練習「ゴロになってしまうことが多かった」

 プロ6年目・23歳の右の大砲に、確かなブレークの予感が漂っている。DeNAの細川成也外野手が8日、本拠地・横浜スタジアムで行われた西武とのオープン戦でソロ本塁打。弾丸ライナーを左中間スタンドに突き刺すオープン戦2号で、周囲の度肝を抜いた。昨年11月に米カリフォルニア州で行ったトレーニングが転機になったと言うが、何が変わったのか?

「僕は長打が一番の長所なので、ホームランでアピールできて凄く良かった」と相好を崩した細川。その言葉通り、8日までオープン戦通算11打数3安打の打率.273、5打点。3本のヒットのうち、2本が本塁打、残る1本も二塁打で全て長打だ。この日は西武・今井が投じた外角高めの149キロの速球を捉え、2日の広島戦では左腕・玉村の真ん中高めへの143キロをバックスクリーン左へ運んでいる。

 179センチ、93キロ。三浦大輔監督が「入団した時から高校生離れした体でした」と苦笑まじりに振り返る通り、プロ入り当時からベンチプレスで130キロ、スクワットで230キロを持ち上げる怪力を見せつけていた。

 一昨年はイースタン・リーグで13本塁打、53打点、出塁率.448をマークし“3冠”に輝き、打率もリーグ4位の.318。しかし、満を持して臨んだ昨年は、自身初の開幕1軍を果たしたまでは良かったが、37試合出場、打率.154、0本塁打1打点に終わり、“壁”にぶち当たった。何よりも、打球が上がらずゴロアウトが続き、持ち味を全く発揮できなかったことがショックだった。

昨年11月に同僚オースティンに誘われ米国で自主トレを行い手応えをつかむ

 そこで昨年11月、同僚のオースティンに誘われて海を渡り、米カリフォルニア州の施設にソトも加わり合同自主トレ。オースティンが師事する現地コーチにも指導を受けた。「自分を変える、いいきっかけになったと思っています」と手応えを感じている。

 現在、オープン戦の試合前のティー打撃やフリー打撃では、あえて左脇を開け、手の甲を上に向けたまま、手首を返さず、ゴルフのアプローチショットを思わせる打ち方をしている。これも米国で教わった練習法の1つだ。ちょうど、日本ハムの清宮が2月のキャンプ中に同じような打ち方を試みて、話題になったことがあった。細川は「僕は手首が返るのが早過ぎて、ゴロになってしまうことが多かった。それを修正するための練習です」と説明する。試合ではそこまで極端ではないものの、昨年までとは全く違うスイングになっている。

 この日、一発を放った直後には、経緯を知るオースティン、ソトから「グッドスイング」と声をかけられ、「これを継続していくことが大事」とうなずいた。「スイングを変えましたし、“今年こそは活躍しなければならない”という思いが強いです」と語気を強める未完の怪物。変化球への対応など、まだまだ課題も多いが、一気にスターダムにのし上がる可能性を持っている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)