【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・3/5 チューリップ賞(GII・…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・3/5 チューリップ賞(GII・阪神・芝1600m)

 中団を追走したナミュールが直線で外から突き抜けました。2歳女王を差しおいて1番人気に支持されたのは、前走、出遅れなければ阪神ジュベナイルフィリーズを勝っており、能力的には世代ナンバーワンだろう……というファンの見立てによるものですが、レースはその正しさを証明するものとなりました。

 直線で前が壁になり、進路を立て直す不利がありながら、楽々と突き抜けたレースぶりは圧巻でした。現3歳世代のハービンジャー産駒は、種付けの前年秋にディアドラ、モズカッチャン、ペルシアンナイトがGIを勝ち、種付けシーズンの最中にブラストワンピースが毎日杯を勝ってダービー有力候補となったため、前年よりも血統登録頭数が30頭増え、繁殖牝馬のレベルも急上昇したという背景があります。

 その結果、ナミュールの他にもプレサージュリフト(クイーンC)、リブースト(2戦2勝/怪我で戦線離脱中)、リューベック(若駒S)、アライバル(新潟2歳S-2着)など、素質馬がそろっています。母サンブルエミューズはブリーダーズCディスタフを勝ったマルシュロレーヌの半姉で、現役時代にフェアリーS(GIII)で3着と健闘しました。

 ナミュールにとってマルシュロレーヌは叔母にあたります。サンブルエミューズは繁殖牝馬として優秀で、他にファルコンSで3着となったヴェスターヴァルト(父ノヴェリスト)を産んでいます。母方に入るサンデーサイレンス、デピュティミニスターはいずれも父と相性良好。

 ナミュールと同じくこの2つの血を併せ持つハービンジャー産駒にはノームコア(香港C、ヴィクトリアマイル)がいます。スタートのミスがなければ同世代相手に崩れることはなさそうです。

◆今週の血統注目馬は?

・3/13 灘S(3勝クラス・阪神・ダ2000m)
 阪神ダ2000mに強い種牡馬はエスケンデレヤ。これまでに産駒が16回走って8回連対しています。連対率50.0%。同産駒はダートの長丁場で優秀な成績を挙げており、競馬場を問わずダート1900m以上で連対率30.2%。2012年以降、ダート1900m以上で産駒が50走以上した74頭の種牡馬のなかで第2位という優秀な成績です。

 当レースにはスズカデレヤが登録しています。20年6月に当コースで一度だけ走ったことがあり、4着と敗れていますが、このときは終始外を回らされる距離ロスが響きました。適性自体は高いはずなので上位争いに食い込めるでしょう。

 (文=栗山求)