右投げ右打ちの選手が左打ちに変えるメリットはバランスの偏り軽減 近年、高校野球を見ていると、毎年現れる「プロ注目」の選手…
右投げ右打ちの選手が左打ちに変えるメリットはバランスの偏り軽減
近年、高校野球を見ていると、毎年現れる「プロ注目」の選手は右投げ左打ちが多いように感じます。プロ野球の中軸を打つ選手の多くも同様です。なぜここまで右投げ左打ちの選手が多いのでしょうか。First-Pitch編集部で取材した現役の指導者やトレーナーの意見から、いくつかのメリットが関係していることが見えてきました。
少年野球の現場では、足の速い選手に、より一塁に近い左打ちを勧める場面を見かけます。一方、強豪チームの指導者やスポーツトレーナーの多くは、右投げ左打ちのメリットを「筋力バランス」にあると言います。
例えば、右投げ右打ちの選手は投げる時も打つ時も、片方の筋肉ばかりを使うため、筋力が偏りがちです。これを左打ちに変えると、左右の筋肉をバランス良く使うようになるため、偏りを軽減してくれます。
また、引き手(左打者の場合は右手)側が利き腕だと、バットにボールを当てやすく、三振が少なくなるとも言われています。日本人の約9割が右利きとも言われているので、多くの選手がこれに該当すると言えるでしょう。
さらに“利き目”が投手側にあると、選球眼が良くなりやすいとも言われています。右利きの選手の多くは、利き目も右目であることが多いため、その恩恵も受けることができます。
イチロー氏や松井秀喜氏ら、プロ野球のレジェンドたちの活躍で右投げ左打ちが急増しましたが、それから10数年たった今でも右投げ左打ちが増加傾向にあるのは、多くのメリットがあるからだと言えます。
右投げ左打ちは飽和状態? 球界に足りないのは「右の長距離砲」
増加を続ける右投げ左打ちに、全くデメリットがないわけではありません。
打球を遠くに飛ばすには、押し手(左打者の場合は左手)が重要と言われますが、右投げ左打ちの選手は利き手と逆の手が押し手になるため、押し込みが弱くなりがちです。しっかりとした練習を積んで、パワーヒッターになるケースももちろんありますが、その多くは巧打が特徴の中距離打者となる印象があります。
さらに稀ではありますが、右利きでありながら左目が利き目の選手も、あまり恩恵を受けられません。
そして、増え続けてきた結果“飽和状態”にある右投げ左打ちは、需要の面から見るとメリットがあるとは言いづらい状況です。実際、右打ちのスラッガーは「貴重な右の大砲」などと呼ばれ注目されるケースが多いです。プロ野球でも補強ポイントとして挙げられるほど、球界全体に右の強打者は枯渇しています。
かと言って、無理に左から右へと戻す必要はありません。感じるメリットと現状のパフォーマンスをすり合わせながら、自分にはどちらが合うかを決めてみてください。