2006年トリノ五輪で金メダルを獲得したフィギュアスケーター、「皇帝」ことエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)が6日、自身のインスタグラムを更新。「ロシア人であることを誇りに思う」などと投稿したほか、…

2006年トリノ五輪で金メダルを獲得したフィギュアスケーター、「皇帝」ことエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)が6日、自身のインスタグラムを更新。「ロシア人であることを誇りに思う」などと投稿したほか、スポーツ界で広がるロシア排除の動きについて「差別をやめろ」などとつづった。

一方、フィギュアスケート女子で18年平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ氏(ロシア)は、「もっと悪く、恐ろしく、耐えがたいものになっている」と心境を吐露。ウクライナ侵攻を巡り、ロシアの誇るアスリートの間でも“意見”が割れている。

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■ロシアに対する制裁に反発

「皇帝」による母国愛むき出しの連続投稿に困惑の声が広がっている。プルシェンコ氏は、英語とロシア語でメッセージを発信。「私はロシア人であり、ロシア人であることを誇りに思う」と切り出すと、「五輪4大会でメダル4個をロシアにもたらした」と記し、五輪のメダルをかけた写真などをアップした。その上で、「人種差別をやめろ、ジェノサイドをやめろ」などと訴え、ウクライナ侵攻を巡り、母国に課せられる数々の制裁に反発した。

また、ロシア語では「ロシア人よ、顔を上げて世界へ出て行こう」などと国民を鼓舞するような記述も残した。同氏は2日の投稿でも「スポーツと政治を一緒にするな」「これは差別。アスリートの権利に対する侵害」などと述べ、北京パラリンピックでのロシア選手参加禁止に反対したほか、プーチン大統領を支持する意向も示していた。

当然、これらの投稿は炎上。「目を覚ませ」「虐殺とは今ウクライナで起きていること」「まずプーチンのやっていることを恥じろ」「プーチンに戦争を止めさせろ」など多くの辛辣なコメントが並んだ。

■悪い夢、早く終わって

一方、悲痛な思いをつづったのはメドベージェワ。「朝、震えながら政治的なニュースを見るのではなく、TickTockの面白い動画を見て前向きに1日を始めたい」とした上で、「より悪く、より恐ろしく、より耐えがたい状況になっていると思います」と現状を憂いていた。また、「自分の持っている目標や夢と平和や相互尊重が交換できるならそうしたい」とし、自身の将来よりも戦闘終結を願う思いを記した。

ウクライナ侵攻を是とするかのようなプルシェンコ氏と、平和を希求したメドベージェワ。同胞のメダリスト同士でも投稿内容には大きな差が出た。

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文・SPREAD編集部