推薦出場した今季開幕戦で予選通過にあと一歩 女子ゴルフの今季開幕戦・ダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)は6日、西郷真央(島津製作所)のツアー初優勝で終了した。昨季、2位7度の20歳が壁を突破し、今後の活躍も抱かせた。一方で、35歳…

推薦出場した今季開幕戦で予選通過にあと一歩

 女子ゴルフの今季開幕戦・ダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)は6日、西郷真央(島津製作所)のツアー初優勝で終了した。昨季、2位7度の20歳が壁を突破し、今後の活躍も抱かせた。一方で、35歳の諸見里しのぶ(ダイキン工業)は第2日を終えた後、予選落ちを悔しがった。2019年限りでツアーから引退状態だが、ホステスプロとして昨年大会に続く推薦出場。通算4オーバーでカットラインに2打届かなかった。それでも、随所で好ショットを披露。試合を重ねていけば、戦える雰囲気も感じさせた。彼女は今、何を思うのか――。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 第2日の最終9番パー4。約20ヤードの第3打が入らなかった時点で、諸見里の予選落ちが決まった。アテストを終えると、正直な思いを口にした。

「予選通過の可能性がすごくあったのに、流れに乗ることができませんでした。今の一番の気持ちは、『悔しい』です。特に今日(第2日)は風が強い中、昨日(第1日)よりもショットは良くなっていて、グリーンを捉えることも多かったのですが、グリーン上で苦戦しました」

 言葉通り、第2日はパーオン率72.22%だったが、パット数は35。初日を終えて41位、第2日も残り4ホールまでは予選通過圏内だったが、6番をボギーとし、9番では残り2メートルのパーパットを決められなかった。大会前日は、「この3か月間、ゴルフに向き合ってきました。自分のスイングが分かるようになってきました。予選を通過して、4日間戦いたいです」と話していたが……。

 ツアーを離れる原因となった第4肋軟骨(ろくなんこつ)の炎症はいまだにあり、「時々、痛くなります」と話した。だが、この2年でステップ・アップ・ツアーのコースセッティングを担当。レギュラーツアーのテレビ解説を経験するなどで、「グリーンの傾斜を足の裏でも繊細に感じられるようになりました。『ああ、現役の時にできていたら』と思います」とも話していた。

ソレンスタムは昨季13年ぶり米女子ツアー出場、日本でも同じ展開を

 それでも、予選通過の思いが叶わなかった理由は、「試合勘のなさ」に尽きるだろう。

 ツアー通算9勝の実力者で、09年賞金ランク2位。全盛期よりも飛距離は落ちているが、ショットのキレは健在だった。諸見里自身は、来年大会の出場については「まだ、分かりません」と言ったが、「悔しい」と思えるのは、気持ちが“現役”である証し。最終日の1番パー4、解説者としての準備でロープ外からコースを見つめる姿は、どこか寂し気だった。この3か月間でよみがえった闘志が残っているからだろう。

 だからこそ、私は「このままクラブを置くのはもったいない」と思う。日本女子プロゴルフ協会の競技でなくとも、ミニツアー、BS日テレ「ゴルフサバイバル」など、プロテスト合格を目指す選手、ツアープロが入り混じってバトルするテレビマッチがある。そうした場でプレーし、少しでも試合勘を取り戻してほしい。

 海の向こうでは、昨季、元世界女王のアニカ・ソレンスタムが13年ぶりに米女子ツアーの試合に出場。全米シニアオープンでは優勝を飾り、その資格で、今年6月の全米オープン出場を決めている。諸見里を含めたかつてのトップ選手にも、将来、日本で同じ展開があることを期待したい。自分たちのために、ゴルフファンのために。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)