昨夏の東京2020オリンピックで女子アメリカ代表として活躍し、金メダルを獲得したブリトニー・グライナーが、ロシアの空港…

 昨夏の東京2020オリンピックで女子アメリカ代表として活躍し、金メダルを獲得したブリトニー・グライナーが、ロシアの空港で拘留されたことが判明した。ロシア税関は拘留された人物の名前を特定していないが、ロシアのタス通信がその人物をグライナーとして報じており、グライナーのエージェントを務めるワッサーマンのリンゼイ・カガワ・コラルズ、WNBA、WNBA選手会、WNBAにおける所属チームのフェニックス・マーキュリー、アメリカ代表をつかさどるUSAバスケットボールがグライナーの身を案じて声明を発信。ニューヨーク・タイムズ他の有力メディアもグライナーの名前を挙げて報じている。

 


 グライナーはWNBAシーズンのオフ期間にロシアのUMMCエカテリンブルクでプレーしていた。しかしロシアのウクライナ侵攻を受けアメリカ政府がロシア出国を呼びかける中、モスクワ近郊のシェレメーチエヴォ国際空港税関で違法薬物所持を指摘され拘留されたとのことだ。拘留された時期は確定されておらず、2月末の段階からすでに拘留中である可能性もあるという。

 

 ニューヨークタイムズ公式サイトの報道では、ロシア税関がこの一件を大規模な禁止薬物流通事案の一部と見て捜査中であり、ロシアの国内法では最長10年間の投獄を言い渡される可能性があるとの記述もある。


 ロシアとウクライナの両国内では複数のWNBAプレーヤーがプロとしてプレーしていたが、USAトゥデイ公式サイトが報じるところによれば、WNBAはすでにグライナー以外の全員が両国を離れたことを確認している。すでに各国はロシアへの制裁措置としてロシアの航空会社に対する空港使用規制を敷いており、在露アメリカ大使館は2月27日付けで民間機の利用が可能なうちに即座に出国するよう、ロシア国内のアメリカ国民に呼びかけていた。


 2月に来日して、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表の一員としてFIBA女子ワールドカップ2022予選に出場したジョンケル・ジョーンズも、グライナーとともにエカテリンブルクでプレーしていた。ジョーンズは3月に入ってからロシアを出国したことを自身のツイッター投稿で明かし、「たった今トルコに着陸しましたが、もう泣きたい思いです。想像以上に強いストレスがかかる状況でした。神様、いつも見守って守護してくださりありがとうございます」とロシアでの緊迫した状況を伝えていた。

 

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 アメリカ国務省は1月23日の段階で、アメリカ国民に向けてロシアへの渡航を避けるよう呼びかけており、3月4日付でもその呼びかけを行っていた。理由としては「アメリカ国籍の民間人に対する嫌がらせ、ロシア国内におけるアメリカ大使館の補助能力の限界、コロナ関連の理由による入国制限、テロ、ロシア政府安全保障当局者からの嫌がらせ、現地法の任意の執行の可能性(the potential for harassment against U.S. citizens, the embassy's limited ability to assist U.S. citizens in Russia, COVID-19 and related entry restrictions, terrorism, harassment by Russian government security officials, and the arbitrary enforcement of local law)」を挙げている。ロシア国内リーグのシーズンは昨秋に開幕しており、グライナーをはじめアメリカ国籍のプレーヤーたちは最初の呼びかけ以前にロシアに渡っていた。

☆フェニックス・マーキュリーの声明

 

 我々はブリトニー・グライナーがロシアでどのような状況に置かれているかを承知しており、注意深く監視している。我々は彼女の家族、代理人、WNBA、NBAと常時連携している。我々はブリトニーを愛し、支援しており、現時点では彼女の安全と心身の健康、安全な帰国を案じている。
“We are aware of and are closely monitoring the situation with Brittney Griner in Russia. We remain in constant contact with her family, her representation, the WNBA and NBA. We love and support Brittney and at this time our main concern is her safety, physical and mental health, and her safe return home.”

 

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文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)