2日(日本時間3日)のブルージェイズ戦で今季6度目の先発マウンドに上がり、6回1/3を8安打4失点という内容で4勝目(1敗)を挙げたヤンキースの田中将大投手。ヤンキースのエースが2014年のメジャーデビューから残してきた数字は、「MLB屈指…

2日(日本時間3日)のブルージェイズ戦で今季6度目の先発マウンドに上がり、6回1/3を8安打4失点という内容で4勝目(1敗)を挙げたヤンキースの田中将大投手。ヤンキースのエースが2014年のメジャーデビューから残してきた数字は、「MLB屈指」といっても過言ではない。それは、現状に満足しない向上心があるからこそだろう。

■前回登板は7回途中4失点で4勝目、三振で叫んだ理由は「自分に対しての怒り」

 2日(日本時間3日)のブルージェイズ戦で今季6度目の先発マウンドに上がり、6回1/3を8安打4失点という内容で4勝目(1敗)を挙げたヤンキースの田中将大投手。開幕戦で黒星を喫した後は4連勝、本拠地では昨年から11登板で9連勝。本拠地では最近7戦7勝だが、これは01年のロジャー・クレメンスに17年ぶりに並ぶ記録と、名門球団の歴史に名を刻む活躍を続けている。

 ブルージェイズ戦では、4点リードの6回2死三塁のピンチでスモークを高めに浮いたスライダーで空振り三振に仕留めた後に、バックスクリーンに向かって声を張り上げる場面があった。米メディアは、この田中の仕草に注目。試合後に、その意味を問われた右腕は「あれは自分に対して投げミスしたことに対して自分に対する怒りです」と答えている。

 この試合は、序盤は危なげない投球を見せながら、味方から6点の大量リードをもらった5回に2失点。7回にもピアースに2打席連続となるソロ弾を浴びるなど、中盤以降につかまった。「点差があったので、際どいところ際どいところをついて、カウントを悪くして、リズムが悪くなるのがいやだったので、どんどんアグレッシブにストライクとっていこうと思ったんですけど、中盤以降にストライク揃えすぎて、痛打されたのが反省点」。勝っても満足することはほとんどない。ある意味で“完璧主義者”とも言える田中にとっては、課題の多い登板だったようだ。

 ヤンキースのエースが2014年のメジャーデビューから残してきた数字は、「MLB屈指」といっても過言ではない。それは、現状に満足しない向上心があるからこそだろう。

■田中の投手としての優秀さを示す2つの指標

 メジャーでは、投手の安定感を図る指標として「WHIP」が重視される。「WHIP」は、1イニングあたりの安打数+四球数。1イニングで平均してどれだけの走者を出したを表す数字だが、田中の1.06は500イニング以上を投げている投手では現役3位。1位はクレイトン・カーショー(ドジャース)の1.00、2位はクリス・セール(レッドソックス)の1.05。どちらも、言わずと知れたメジャーを代表する左腕だ。この2人に次ぐ数字を叩き出している田中は、メジャーの右腕では現役1位のWHIPをマークしているということになる。

 そして、田中が“メジャー歴代1位”を誇る指標もある。「K/BB」。1つの四球を出すまでにいくつの三振を奪ったかを示す数値だ。こちらも、投手の能力を表す指標としてメジャーで重視されている。

 田中の「K/BB」は5.01。これは、1871年以降のメジャーで500イニング以上を投げた投手では1位だ。こちらも2位はセールの4.88。つまり、メジャーで500イニング以上を投げた投手で、「K/BB」が5.00を超えているのは田中だけとなっている。

 現役では、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)が4.59で4位、マイケル・ピネダ(ヤンキース)が4.51で5位、コリー・クルーバー(インディアンス)が4.44で7位となっている。なお、メジャー史に名を残す投手を例に挙げると、カート・シリングが4.38で10位、ペドロ・マルティネスが4.15で14位、マリアノ・リベラが4.10で16位となっている。

 田中はブルージェイズ戦の勝利でメジャー通算81試合登板で43勝17敗とし、勝率も.717まで上昇。こちらは、通算80登板以上の投手で現役1位、歴代でも3位となっている。このままメジャー史に名を残す投手となれるか。現状に決して満足しない右腕だけに、さらなる高みへと登っていく可能性は高そうだ。