都内で会見、村田諒太VSゴロフキンを再発表 ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が3日、都内のホテルで会見し、4月9日にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦を…

都内で会見、村田諒太VSゴロフキンを再発表

 ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が3日、都内のホテルで会見し、4月9日にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦を行うと再発表した。昨年12月29日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響で延期になっていたビッグマッチ。試合を組めなかったこの2年4か月間に延期が相次ぎ「体の負担は凄い。これ以上先になるともう持たない」と明かした。

 今度こそリングに上がる。村田は2019年12月23日のスティーブン・バトラー(カナダ)戦で5回TKO勝ちし、初防衛を果たして以来の試合。コロナ禍に突入し、試合が決まっては発表前に流れるという繰り返しだった。昨年11月も年末のゴロフキン戦を発表したが、オミクロン株の世界的な感染拡大を受け、政府は全世界を対象に外国人の入国を原則禁止することを発表。年末のビッグマッチは開催が見送られていた。

 モチベーションについては「一定ではなかった。気落ちする期間もあった」と吐露。それでも、「いい形で揺れて、いい時も悪い時もありながら過ごしてきた。最終的にはもの凄くいい状態」と強調した。今年1月に36歳となったばかり。常に試合に備えてピークを保ち続ける難しさを明かした。

「ずっとそれを積み重ねてきたので、体の負担は凄いです。これ以上、試合が先になると持たないですね。逆に言うと、追い込めているということです。ボクシングで自分が良いものを作り上げることと、調子の上下動は違う話。その良いものを作り上げているなという感覚はあります」

「この2年間は幻だったのか」、異例ブランクの胸中とは

 2年4か月のブランクから歴史的ビッグマッチを迎えるのは異例。周囲からは「村田君、よく耐えてるよね」と表現されるという。しかし、自身の感覚的にはこの言葉を否定。独特の言い回しで説明した。

「耐えているというのは、同じ姿勢でずっと耐えている感じじゃないですか。そうではなくて、むしろ『ここに目標があるぞ、行け』って言われてバーっと走って、これが消えて。また次の目標があるから『また走れ』と言われている感じ。

 この2年間は幻だったのかと思うこともあります。永遠に走っている感じです。ただ、目標に向かっていけているので、皆さんが思うほどしんどくはないですが、気持ち的にはバテは来ている。これ以上はもう走れない。4月をゴールにしたい」

 心身ともにタフな期間を過ごしてきた。しかし、マイナスではない。延期によるプラス3か月でスパーの数が格段に増えた。実戦感覚は磨きに磨かれた状態。「(コロナ禍の延期に)良かったと言うと『お前ふざけるな』と言われることもあるけど、前を見るしかない。ご尽力いただいた方、大変な想いをした方がたくさんいるので軽々しく言えない」と踏まえた上で「あくまで個人的には良い延期だった」と語った。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)