3月26日にシンガポール・インドア・スタジアムで開催される、アジア最大級の格闘技団体One Championshipの10周年記念大会「ONE X(ワン・エックス)」の出場選手発表記者会見が2日、東京…

3月26日にシンガポール・インドア・スタジアムで開催される、アジア最大級の格闘技団体One Championshipの10周年記念大会「ONE X(ワン・エックス)」の出場選手発表記者会見が2日、東京・渋谷ストリームで開催された。

冒頭、秦アンディ英之代表が登壇してONEが10周年を迎えたことを報告、今年は24大会を開催すると抱負を述べた。それに続き、出場する6選手が登場、ビデオ出演の4選手とともに試合を前にした意気込みを語った。

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■「いちファイターとして尊敬する青木選手と戦えるのは光栄」

注目の試合は、若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)がONEフライ級チャンピオン、アドリアーノ・モラエス(ブラジル)に挑戦するタイトルマッチ。若松は、「相手を殺しにいくような勢いでいく」と、静かな表情にも気合を漲らせた。

記者会見に参加した若松佑弥(C)牧野森太郎

もう一人の日本人チャレンジャーが、天才空手ファイター秋元皓貴(EVOLVE Fight Team)。カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)が持つONEバンタム級キックボクシングのベルトに挑む。ビデオ出演した秋元は、「1年以上前から準備してきた。レベルとしては自分のほうが全然上」と自信をのぞかせた。

記者会見後半には、因縁の両雄、青木真也と秋山成勲が登場した。秋山が白のジャケットに皮のコートを羽織って登壇したのに対し、青木はラフなシャツ姿。両者の個性が際立った会見となった。

記者会見に挑んだ青木真也(左)と秋山成勲(C)牧野森太郎

昨年9月の対戦オファーに対しては秋山が怪我を理由に拒否。11月の試合に出場していた青木が「何で断ったんだよ!」と、解説席にいた秋山に詰め寄った経緯がある。ようやく実現する大一番に、秋山が「いちファイターとして尊敬する青木選手と戦えるのは光栄」とエールを送ると、青木は「何もない。やるだけだ」と一蹴。張り裂けそうな緊張感のフェイスオフが終了すると、二人は視線を合わせることもなく別れた。

3月26日、白熱の20試合のゴングが待ち遠しい。試合は、ABEMAで実況中継される。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。