マリア・シャラポワ(ロシア)は、今年のウィンブルドンのワイルドカード(主催者推薦枠)を寄与されるか否かを知るのに、6月20日まで待たなければならないかもしれない。 オールイングランド・クラブで2004年に栄冠を獲得したシャラポワは、薬物使…

 マリア・シャラポワ(ロシア)は、今年のウィンブルドンのワイルドカード(主催者推薦枠)を寄与されるか否かを知るのに、6月20日まで待たなければならないかもしれない。

 オールイングランド・クラブで2004年に栄冠を獲得したシャラポワは、薬物使用のため15ヵ月の出場停止処分を課せられたあと、先頃WTAツアーに戻り、シュツットガルト(WTAプレミア)でベスト4に進出して世界ランキングを262位とした。

 シャラポワは、ウィンブルドン予選へのダイレクト・エントリーの締め切り前に、マドリッド(WTAプレミア・マンダトリー)とローマ(WTAプレミア5)という2つの大会をプレーする。これらの大会で最後のほうまで勝ち上がることができれば、予選を介さずして本戦に入るために十分なポイントを稼ぐことができるかもしれない。そうしている間に、彼女は5月16日に、全仏オープンでワイルドカードを得られるか否かを知ることになる。

 ウィンブルドンの実務最高責任者であるリチャード・ルイス氏は水曜日に、大会のテニス小委員会の会議が6月20日に行われ、その際に、どの選手が本戦に受け入れられることになるかがはっきり決まるだろうと言った。ウィンブルドンは7月3日に始まる。これは1895年以来、もっとも遅いスタート日となる。

 男子世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)は、もしもシャラポワがワイルドカードを必要としているなら、きっと与えられるだろうと予想している、と話した。

「でも主催者たちは、その手の決断を下さなくても済むよう願っていると思うよ」とマレーは、ウィンブルドン前哨戦であるクイーンズ・クラブ(ATP500)の大会式典の際に言った。「大会までに、彼女が本戦入りに必要なポイントを得ている可能性はかなりある。それが彼女自身、そしてウィンブルドンが望んでいることだと僕は確信しているよ」。

 ルイス氏は、近隣のローハンプトンで行われる予選が、今回から初めてチケットを販売して行われることになり、その中の1コート上でのプレーはライブでテレビ放映されることになると言った。これはシャラポワが予選に出るかもしれない事実とは何ら関係はなく、予選への関心が急激に高まっているためだと説明している。

 またオールイングランド・クラブのチェアマン、フィリップ・ブルック氏は、ウィンブルドンを2度制した過去の名プレーヤー、イリー・ナスターゼ(ルーマニア)が、センターコートの貴賓席に招待されることはない、と言った。

 70歳のナスターゼは、出産予定のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の子供の肌の色についてのコメントと、フェドカップ・ワールドグループ2部プレーオフ「ルーマニア対イギリス」の対戦中の暴言のため、ITF(国際テニス連盟)から暫定的な活動停止処分を受けていた。

「彼がやったこと、彼の行為はよいことではない。我々はそれらの振る舞いを非難している」とブルック氏は言った。

 なお、ウィンブルドンの賞金総額は12.5%増額され、3160万ポンドになることが決まっている(4080万ドル)。

 シングルスの優勝者は、男女それぞれ220万ポンド(285万ドル)を獲得することになる。これは2016年と比べ10%の増額だ。

 また、ウィンブルドンは、低いランキングの選手たちを助けることにより大きな比重を置いている、と公に言った通り、本戦1回戦で敗退した選手は3万5000ポンド(4万5000ドル)を受け取り、これは2016年と比べ16.7%の増額となる。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は復帰戦となったシュツットガルト(WTAプレミア)でベスト4に進出したマリア・シャラポワ(ロシア)

Photo: STUTTGART, GERMANY - APRIL 28: Maria Sharapova of Russia celebrates winning match point in match against Anett Kontaveit of Estonia during the Porsche Tennis Grand Prix at Porsche Arena on April 28, 2017 in Stuttgart, Germany. (Photo by Adam Pretty/Bongarts/Getty Images)