プロ入り2年目を迎えたホープ
2022年3月12日にさいたまスーパーアリーナで男子バスケットボールの日本一を決める天皇杯ファイナルが行われる。ファイナルまで勝ち進み、2連覇を狙うのが川崎ブレイブサンダース。B1リーグ東地区で3位につけるチームにおいて、若手のホープとして期待されるのが増田啓介だ。
増田は筑波大学時代に特別指定選手として川崎に加入。大学を卒業しプロ2年目のシーズンを送る24歳は、自身の立ち位置について語る。
「川崎はもともと年齢層が高いチームでベテランの選手が多いなか、去年は僕と青木(保憲/現広島ドラゴンフライズ)さん、今年は僕と前田(悟)さんとツナ(綱井勇介)さんの3人が若手です。先輩たちにおんぶに抱っこじゃなくて、自分たち(若手)が少しでも下からチームの力になれるようにやっていくことを意識しています」
2020年にプロ入りした増田は、登録者数が10万人を突破したチームの公式YouTubeチャンネルへの出演や、アプリを用いての念密なスカウティングなど、本格的にプロバスケットボール選手としての時間を過ごす中で訪れる変化に、川崎の一員としての実感を得ているという。
「川崎ブレイブサンダースだからこそYouTubeの撮影があったり、今までの自分では考えられないような体験をさせてもらっています。ただ、怖くて自分の動画は見れないです(笑)」
「コーチ陣がスカウティング映像や情報を集めてくださったアプリがあるんですが、しっかりその情報を収集したり、コートでフォーメーションを確認します。他のチームのことは分からないですけど(この環境は)Bリーグでもトップクラスなんじゃないかと思います」
「富樫選手、スミス選手がキーになる」
そんな川崎の一員として戦う天皇杯ファイナルで顔を合わせるのが千葉ジェッツ。B1リーグ東地区で首位を走るチームとの戦いを前に警戒心を見せながらも、天皇杯制覇を狙っていくと述べている。
「千葉は昨年のBリーグチャンピオンでもありますし、その前には天皇杯3連覇もしている強豪クラブで、とても強い相手です。日本人選手では富樫勇樹選手、外国人選手では(クリストファー・)スミス選手の2人がキーになると思います」
「個人的な目標はなくて、チームが勝つことが一番大切だと思います。強い相手ですけど、僕らのできることをやれば勝利は自ずとついてくると思うので、しっかりとやっていきたいです」
千葉との一戦を前に自身の思いを明かした増田。プロとしてのキャリアを一歩ずつ進める24歳は2連覇メンバーの一員に名を連ねることができるか。
■増田啓介と『NOVA SURGE』
川崎加入後、先輩たちの影響もありアシックス社のシューズを履いているという増田が愛用するのが『NOVA SURGE』。
アッパーが柔らかく足が動かしやすい、踵のクッション性によりジャンプの衝撃を吸収するなどの効果を感じるという増田。大学からプロに入った中シューズに対しての意識の変化として、「大学時代はかっこいいものを選んでいましたが、プロ選手になってからは怪我とか日々のコンディショニングとかが大事になると思うので、自分にあったシューズの選び方が大事だなと思います」と語っている。
(取材・文/スポーツブル・井本 佳孝)
