メインスポンサー「ウラルカリ」のロゴを外したハースF1の新車「VF-22」(ハース提供) ロシアがウクライナに軍事侵攻したことを受け、9月25日に決勝が組まれていたF1第17戦ロシアGPは中止されることになった。F1運営会社が24日…

メインスポンサー「ウラルカリ」のロゴを外したハースF1の新車「VF-22」(ハース提供)

 ロシアがウクライナに軍事侵攻したことを受け、9月25日に決勝が組まれていたF1第17戦ロシアGPは中止されることになった。F1運営会社が24日夜に出場チーム、国際自動車連盟と協議し、現状では開催は不可能だとする結論に達した。代替先としてトルコGPが浮上している。F1では政情不安で2011年にバーレーンGPが開催を断念したことがある。

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 侵攻が開始された24日はスペイン・カタルーニャサーキットでプレシーズンテスト2日目が行われていた。パドック裏ではロシアGPの開催の是非について話題となり、新王者として参加していたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)は「国が戦争をしているときに、そこでレースをするのは間違いだ」と開催反対を表明。アストンマーティンに在籍する元王者のセバスチャン・ベッテル(ドイツ)についてはこのまま開催する場合はボイコットすると宣言していた。

 切迫した事態になったのは米国籍チームのハースF1だ。メインスポンサーはロシアの肥料メーカー「ウラルカリ」で、25日のテスト最終日は車体などから同社のロゴを外し、さらにロシアをイメージさせる白、赤、青の配色を取りやめ、白地のカラーリングで走ると発表。モーターホームなどに掲げられていたロゴも撤去された。

 同チームにはロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンが所属している。父がウラルカリの共同オーナーを務めており、同社は持ち込みスポンサーでもある。マゼピンは25日のテストで午前中の走行を担当したが、SNSを通じて「困難な時を迎え、今起きていることの多くが僕には制御できない。僕は自分で制御できること、ハースF1チームのために一生懸命に働き、最善を尽くすことに集中する」との緊急声明を出すなど困惑した状況にあった。

24日のプレーシーズンテスト2日目までは通常のカラーリングで走行していた(ハース提供)



 ウクライナ侵攻を受け、米国、英国、日本など主要7カ国はロシアの主要銀行の外貨決済禁止などを表明しており、資金が調達できないとハース側が判断した場合はマゼピンを解雇し、ウラルカリとのスポンサー契約を破棄する恐れもある。最終決定は週明けになるとみられている。

 ロシアGPは冬季五輪の開催地でもあったソチで2014年から続けられていたが、23年からはサンクトペテルブルク郊外のサーキット「イゴラドライブ」に移転することが決定。ソチでの開催は今年が最後となる予定だった。ただし、このままでは来年以降にロシアでF1が開催されるかも不透明な状況に。F1の世界でもさまざまな障害が起きている。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)



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