中日二軍監督片岡篤史インタビュー 中編(前編:立浪監督は丸くなったが「キャプテンの厳しさ」は健在>>) この10年間でA…
中日二軍監督
片岡篤史インタビュー 中編
(前編:立浪監督は丸くなったが「キャプテンの厳しさ」は健在>>)
この10年間でAクラスが2回と低迷している中日。チームの再建を託された片岡篤史二軍監督に、中日の選手たちの印象や、コミュニケーションをとる上で心がけていることなどを聞いた。

中日の現状や期待の選手について語った片岡二軍監督
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――二軍監督として、昨年の秋季キャンプから実際に選手たちと接してきて、チームの雰囲気や印象はどうですか?
片岡篤史(以下:片岡) よく言えば「スマート」で、逆に言えば「大人しい」という感じでしょうか。チームがこの10年間あまり勝てなかったので、目立つ選手が少なかったというのもあると思います。ピッチャーであれば大野(雄大)や、昨年2冠を獲った柳(裕也)がいますけど、野手だと大島(洋平)が何年かタイトル争いをしたりしましたが、大島以外では(ダヤン・)ビシエドぐらいですよね。
日本人で活躍している野手が少ないのは寂しいです。やっぱり、高橋(周平)や京田(陽太)、木下(拓哉)ら内野手がチームを引っ張っていってほしい。若い20代の選手がどんどん目立つようになっていってほしいですね。みんな接してみると明るいですし、そういう部分も全面に出してもらえる環境づくりも僕たちの仕事だと思います。
――大野投手や柳投手ら実績のあるピッチャーが、秋季キャンプでは存在感を示していましたね。
片岡 大野や柳クラスのピッチャーが、本当にひたむきに練習に取り組んでいました。言い方が悪いかもしれませんが、"アホになって"という感じでしょうか。あれだけの選手が一生懸命に取り組む姿勢は、若い選手にすごくいい影響を与えると思うんです。
――ブレイクが期待されている石川昂弥選手や根尾昂選手、髙橋宏斗選手らを秋季キャンプで見てどう感じましたか?
片岡 石川が東邦、高橋が中京大中京、根尾は岐阜県出身ということで、3人とも地元の選手なんですよね。だから、期待するファンの気持ちもわかります。ただ、それ以外にも伸びしろがあり、「面白いな」という選手はたくさんいますし、僕らはそういう選手たちを一軍の舞台に立てるようにしていかなければいけません。
石川の目標となる打者は?
――石川選手は「モノが違う」と評されることが多いですが、片岡さんの評価はいかがですか?
片岡 石川が話題になることが多いのは、ホームランを期待できるからですよね。中日の課題は長打力。バンテリンドームという投手が有利な球場を本拠地にしていることもあるんですけど、得点能力が上がらないと順位も上がりません。
ただ、素材がすばらしい選手はこれまでにたくさん見てきました。石川はケガで長期離脱している期間がありましたよね。しっかり体ができてケガをせずに1年間出られるようになってくれば、その後の方向性が見えてくると思います。やはり「無事是名馬」と言われるように、1年間143試合に出られないことには、この世界でレギュラーになれません。ケガを予防することは大事だし、そういう意識を持ってもらうことを伝えていかなければなりません。

中村コーチ(左)から指導を受ける石川
photo by Sankei Visual
――まずは毎日試合に出られる体力を含めた体づくりが必要なわけですね。
片岡 それに加え、継続する気力も大事です。「やれ」と言えば、みんな2、3日か1週間くらいはやるんですよ。人によってはそれが半年だったり、1年だったり違うと思いますが、「今日は体調がいいからいつもより練習を多くしよう」「今日はやめておこう」ではなく、決めたことを継続することが、シーズンを通じて活躍できることにつながると思うんです。
右バッターの石川は、広島の鈴木(誠也)や巨人の岡本(和真)が目標になると思います。内野手ということを考えれば、岡本やヤクルトの村上(宗隆)くらいの選手になることを目指してほしいですね。やはり右のホームランバッターだった中村紀洋打撃コーチから得られるものも多いはずですし、石川のようなタイプは、実戦のなかで結果を出して成長していかなきゃいけないと思います。
――石川選手の他にも、さまざまなタイプの選手が虎視眈々とレギュラーの座を狙っていますね。
片岡 岡林(勇希)や三好(大倫)もそうですし、昨年のドラフト2位の鵜飼(航丞)と中京大中京で同級生だった伊藤(康祐)は、バッティングが井端(弘和)のようなタイプですね。高松(渡)のような足のある選手もいます。長打力があるバッターを育てることも緊急の課題ですが、広いバンテリンドームで戦うことを考えると、足や小技が使える選手も必要です。だから、すべての選手にチャンスがありますよ。ピッチャーでは、又吉(克樹)が抜けた穴もチャンスですね。
ヤクルト村上から学ぶところ
――接してみると明るい選手が多い、ということでした。チームの雰囲気づくりも、監督としての重要な役割のひとつだと思います。
片岡 みんな明るいですから、そういうのを僕らが引き出していかないと。今、日本ハムの新庄(剛志)監督があれだけ注目を集めていますけど、面白いことを言うとかではありませんが、「『頑張ります』じゃなくて、もう少し違うことを言う」ことも今の時代には必要だなと最近つくづく感じています。もちろん結果も出して、中日の選手も名古屋地区だけじゃなく、全国区のスター選手になってもらいたいです。
岡林も明るいし、山下(斐紹)はいわゆる"野球においての声"が出ますね。こっちが言うことに選手たちがいろいろとリアクションしてくれるので、チームが活気づいています。雰囲気によってパフォーマンスが変わることもあります。昨年に最下位から優勝したヤクルトでは村上がチームを鼓舞していましたが、ああいう姿が大事だということです。声が出るというのは貴重な戦力だということも伝えていきたいと思います。
――二軍のキャンプは中堅の選手も多いですね。
片岡 そうですね。彼らも自分の置かれている立場がわかっている。だから、彼らを気持ちの面で前向きにさせてあげなきゃと思います。いつやってくるかわからないチャンスに備えて「あきらめたらあかんで」と。今までのやり方で結果が出なければ変えなきゃいけないこと、試合に出ることの厳しさも伝えていきたいですね。中堅の選手に限らず、二軍の選手たちが常にポジティブな気持ちでいられるようにしなければいけないと思います。
――片岡監督自身も「学んでいきたい」と言われていましたね。
片岡 中日は自分が所属したことがない球団です。やはりチームそれぞれに色があるので、そのあたりは自分でも貪欲に学びながらやっていかなければなりません。二軍監督として選手を伸ばしていくことが第一ではありますが、そのために自分自身の視野を広くして取り組んでいければ、と思います。
(後編:二軍監督になってもYouTubeを続ける理由>>)