盟友・駒田徳広(巨人3軍監督)との対談で“デビュー” 巨人で強打の内野手として活躍した岡崎郁(おかざき・かおる)氏が今年…
盟友・駒田徳広(巨人3軍監督)との対談で“デビュー”
巨人で強打の内野手として活躍した岡崎郁(おかざき・かおる)氏が今年1月11日、60歳にしてYouTubeチャンネル「アスリートアカデミア(アスアカch)」を開設した。昨年限りで幼児・小学生向けのジャイアンツアカデミーの校長を退任し、現役、指導者、フロント時代を合わせて計33年間も在籍した巨人を退団。YouTubeは若者のためだけのツールにあらず、還暦からの新たな人生を輝かせる大切な手段となりそうだ。
アスアカchの記念すべき第1回配信は、巨人現役時代の1歳下の同僚で、岡崎氏が「盟友」と呼ぶ駒田徳広氏との対談だった。「駒田に会うと、昔の恋人に会ったみたいに嬉しい気持ちになる」と頬を緩める岡崎氏。2人はいつしか交互にバットを握りながら、「バッティングは空手チョップの要領で打つのが正しいのか、それとも引き手の甲をボールにぶつけるつもりで振り出すべきか」などを巡り、熱い議論を展開していった──。
「スタートはやはり野球になったけれど、今後はいろいろなアスリートを招いて話をしていきたい」と岡崎氏。「趣旨はトレーニング。一般の人が健康寿命を伸ばすには、どういう運動が必要なのかを含めてレクチャーしたい。その究極がスポーツ選手のトレーニングでしょう。振り幅広くやっていきたい」と説明した。
元野球選手のYouTubeチャンネルと言えば、暴露的な裏話をメーンにしたものも多い。岡崎氏は「見る分にはそちらの方が面白いかなと思うけれど、裏話がそうそう延々とあるわけがなく、3回くらいの配信で尽きてしまう。他の人がやっているなら、僕がやる必要はないとも思う。みんなのためになって、なるほどと思ってもらえる物ができたらいい」とポリシーを固めている。
クールなイメージも本当は…「おちゃらけた人間」
岡崎氏は自由な時間が増えた今「何をやっているかというと、たいがいYouTubeを見ているのですよ」と苦笑する。
過去には様々なメディアで評論活動をしてきた。「今でもテレビ、ラジオ、新聞がマスコミの王様だと思っていますが、それらは依頼をいただかないと、出演したり書いたりできない。その点、YouTubeやSNSは他人に雇われなくても、自分が発信したい時にできる。使い方によっては怖いところもあるけれど、今はそういう時代なのかな」と認識している。
現役時代はクールなイメージで、若い女性を中心に絶大な人気を誇った。「僕の人間像は結構誤解されていると思う。本当はおちゃらけた人間なのにね。YouTubeは従来のメディアより、鎧を脱いで素の自分を出しやすい気がする」という思いもある。
60歳からの新しい人生では、志半ばで引退に追い込まれるプロ野球選手のセカンドキャリアを支援するため、人材派遣会社の立ち上げを検討中。2019年11月に東京・新橋にオープンさせた鉄板焼き「おか福」を中心に、飲食店も展開していく。その中でも“還暦のユーチューバー”としての活動は実に興味深く、目が離せない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)