2022年北京五輪が閉幕したが、フィギュアスケート羽生結弦(27)は男子シングル4位でも主役であり続けた。五輪3連覇を逃したものの、4回転半に挑戦し、エキシビションの演技でも世界中のファンを魅了。一方で人気すぎるがゆえ、発言や…

 2022年北京五輪が閉幕したが、フィギュアスケート羽生結弦(27)は男子シングル4位でも主役であり続けた。五輪3連覇を逃したものの、4回転半に挑戦し、エキシビションの演技でも世界中のファンを魅了。一方で人気すぎるがゆえ、発言や行動の影響力が大きく、話題がことさらにクローズアップされたことも。北京での「羽生狂騒曲」を振り返り、まとめてみた。

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◆ハマッた「穴」犯人捜し

 ショートプログラム(SP)で羽生がジャンプに失敗し8位発進。4回転サルコウが1回転となったミスが響き、演技後はその場所に戻って原因を確認。「穴があった。しょうがない。氷に嫌われちゃったかな」などとコメントした。

 ネット上では穴を作ったのは誰だと「犯人捜し」がスタート。ロシア紙「スポーツ・エキスプレス」は、穴を開けたのがその前に滑走したROC(ロシア・オリンピック委員会)の選手とし、同選手のインスタに「殺害の脅迫を受けている」などの批判が殺到したことを報じた。

◆さんま「ケガ」ダメ出し

 お笑いタレントの明石家さんまがMBSのラジオ番組「ヤングタウン土曜日」に出演し、羽生について言及。「『ケガをおして出た』って。オリンピッククラスの人は全選手、ケガをおして痛み止めを打ちながらやってますからね。羽生君の言うのもわかるけども、言ってほしくなかったコメントやな、俺はな」と指摘した。

 羽生は逆転を狙ったフリーで4回転半に挑戦するなどして順位を4位に上げたが、メダルには届かなかった。後日談として「フリーの前日練習で足を痛めた。捻挫の程度も思ったよりひどくて、本来だったら完全に棄権していた」と痛み止めの注射を打って臨んだことを明かしていた。芸能界大御所の発言だけに、反響は大きかった。

 また五輪の事前練習から1度も成功しなかった4回転半をプログラムに組み込んだ演技構成への疑問も含め、SNSのコメント欄ではファンらによる賛否両論の「場外戦」バトルが繰り広げられた。


◆泣き叫ぶボランティア

 羽生は中国でも人気が高く、一挙手一投足が注目された。カナダの公共放送「CBC」は、14日に羽生の記者会見が行われた会場外で中国人のボランティアが仕事を忘れて? スマホで撮影している様子を伝え「とてつもない人だかり。少女は叫び、泣き崩れる者も。90年代のバックストリートボーイズのコンサートにいるかのようだ」などと熱狂ぶりを表現した。

 中国メディアは大会期間中、何度もトップ記事で羽生を特集。20日のエキシビションで演じたテーマ曲「春よ、来い」は中国版ツイッター「ウェイボー」で検索ランキング1位になり、中国紙「斉魯晩報」は「羽生が氷に感謝のキス。その美しさにみな心を奪われ、見ている者は思わず涙ぐんだ」などと伝えた。

◆閉会式でも悲鳴

 羽生は閉会式に出席しなかったが、存在感は抜群だった。中盤で会場の大型スクリーンに今大会のハイライト映像が流れ、羽生がフリーで挑んだ4回転半ジャンプが映し出された。着氷しながら転倒すると、会場中が悲鳴に包まれた。

 その数分後に再び羽生の姿が映り、成功したジャンプに大きな歓声があがった。3連覇は逃したが、挑戦した4回転半が世界で初めて認定され、名場面の1つとして取り上げられた。羽生という存在が、メダルの色を超越する輝きを放ち続けた北京五輪だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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