J1リーグの2022年シーズンがスタートした。初戦から興味深い戦いが繰り広げられたが、3連覇を狙う川崎フロンターレをか…

 J1リーグの2022年シーズンがスタートした。初戦から興味深い戦いが繰り広げられたが、3連覇を狙う川崎フロンターレをかなり苦しめたFC東京の戦いぶりも見ものだった。今季のJ1の行方に大きな影響を及ぼし得るFC東京を、サッカージャーナリスト・後藤健生が分析する。

■ゲームの流れを変えたプレー

川崎がチャナティップとマルシーニョがいる左サイドからチャンスを作り続け、そして東京のDFエンリケ・トレヴィザンとGKヤクブ・スウォビィクが好守でしのぐという展開が続いた。

 ここまでは、まさに大方の予想通りの展開であり、川崎が先制ゴールを決めるのは時間の問題かとも思われた。

 19分にもDF谷口彰悟からの縦パスを中央で受けたレアンドロ・ダミアンが左にはたいて、フリーになったマルシーニョがシュートしたが、スウォビィクが指先に当てて辛くもセーブ。コースが変わったボールは、ポストに当たって跳ね返った。

 ゲームの流れが変わったのは、その直後だった。

 東京のレアンドロが右サイド深い位置に入れたスルーパスを追った松木玖生がフリーになって折り返した場面だ。松木はオフサイドと判定されたが、松木の素晴らしい動きだしとレアンドロのパスが初めて見事にシンクロした場面だった。

 そして、これをきっかけに東京にチャンスが生まれ始めた。

 21分には東京のゴール前で競り合った木本恭生の顔面にレアンドロ・ダミアンの腕が当たって木本がうずくまり、ここでゲームが止まった。

 すると、東京のアルベル・プッチ・オルトネダ監督がベンチ前に数人の選手を集めて指示を与えた。

 時間がちょうど前半の真ん中、22分での出来事だったので「勝手に飲水タイム」とも言われたが、この時の指示が重要な転機になったようだ。

 東京は、19分の最初のチャンスと同じように右サイドのレアンドロと松木の関係性を生かした攻撃の形を作り始めたのである。

■右サイドで始まった猛攻

 24分には右のタッチライン沿いで奪ったボールが安部柊斗から永井謙佑につながり、永井と松木が絶妙のワンツーで永井がフリーになり、永井から右のレアンドロにパスが通り、レアンドロがフリーでシュート。川崎のGK、鄭成龍(チョン・ソンリョン)が右手一本ではじき出した。

 28分には中央でレアンドロとディエゴ・オリヴェイラが溜めたボールを松木がシュート。クロスバーすれすれに飛んだシュートは、これも鄭成龍がはじき出す。

 さらに、前半の終盤42分には、左サイドバックの小川諒也からのロングパスをゴール右サイドでうまく受けた松木が折り返し、中央からレアンドロがシュート。これも鄭成龍がCKに逃れた。

 前半20分以降、FC東京は川崎を上回るチャンスを作ったが、ほとんどがレアンドロと松木が絡んで右サイドから作った形だった。

■昨季から変わったフォーメーション

 FC東京のフォーメーションは4-3-3。アンカーに青木拓矢が入り、インサイドハーフは右に松木、左が安部。前線は長谷川健太監督だった昨シーズンまではディエゴ・オリヴェイラが右サイドで永井がセンターという形が多かったが、アルベル・プッチ監督は右からレアンドロ、ディエゴ・オリヴェイラ、左に永井という並びを使ってきた。

 そして、左の永井はやや下がり気味のサイドハーフ的なポジションを取り、右のレアンドロはディエゴ・オリヴェイラと並んで最前線という立ち位置だったが、そのレアンドロがセンターに入ってツートップ気味になると、松木がサイドに出てタッチライン際でプレー。また、レアンドロが外に開くと松木はレアンドロとディエゴ・オリヴェイラの間から前線に出ていくという流動的な動きを狙っていた。

 前半の立ち上がりは、FC東京は4-3-3のオリジナルポジションに固定されていたが、19分過ぎに松木が外に開いた位置から前線に飛び出して最初のチャンスを作り、「勝手に飲水タイム」の後はレアンドロと松木が頻繁に位置を変えることでチャンスを量産したのだ。

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