連日、選手たちの熱戦が繰り広げられた北京五輪もいよいよ幕を閉じる。一方で大きく人々の注目を集めたのは女子フィギュアだった。・今すぐ読みたい→薬物問題でロシア内部分裂!? ワリエワ突き放す女コーチに激怒同僚が中指立てポーズ ht…

 連日、選手たちの熱戦が繰り広げられた北京五輪もいよいよ幕を閉じる。一方で大きく人々の注目を集めたのは女子フィギュアだった。

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薬物問題でロシア内部分裂!? ワリエワ突き放す女コーチに激怒同僚が中指立てポーズ https://cocokara-next.com/athlete_celeb/dark-side-of-russian-figure-skating-02/



 若き「絶対女王」のカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=15)のドーピングが大会中に発覚。これは昨年12月に行われたロシア選手権で採取された検体から禁止薬物トリメタジンが検出されたことにあった。またこのトリメタジンが他の汚染サンプルの約200倍と報道されたことで彼女の体にかかる負担も心配されている。

 ワリエワの出場をめぐって現場は紛糾。本人の聞き取りなどを経て、出場は継続されたが、結果は臨んだ女子フリーでジャンプで度重なるミスが出るなど、精彩を欠き、優勝候補の大本命がまさかの4位に終わった。

 さらに大きな注目を集めたのは滑走終了直後のあるシーンだった。明らかに精神的に動揺しているように見えたワリエワに対し、エテリ・トゥトベリゼコーチ(47)が「なぜ、あきらめたの? なぜ、戦いをやめたの? 説明しなさい」と追いうちをかけるように詰問するシーンが大きくクローズアップされたのだ。

 さらに同コーチに対してはほかの選手も嫌悪感を示している。象徴的だったのは銀メダルに輝いたトルソワが同氏のハグを拒否。このときにトルソワは「嫌よ!みんな知っているのよ!」と発言。この発言が何を指すのかは明らかになっていないが、今回のワリエワ問題に関する深い闇を感じさせる場面となった。


 そして今回の一連の出来事で改めて注目を集めているのが、渦中のトゥトベリゼ氏が運営している選手の育成機関「サンボ70」だ。これはロシアのトップアスリート養成学校で同校からは、18年平昌五輪金のザギトワ、同銀のメドベージェワ、北京金のシェルコバワ、銀のトルソワら並みいるトップアスリートを続々輩出している。

 一方で同施設で育った選手寿命が非常に短命であることも特徴的なポイントだ。前大会金メダルに輝いたザギトワ然り、ほかの選手も総じて選手生命は短く、この点について世界中が同施設で行われている「金メダルへのメソッド」に注目している。

 
 ワリエワは今回のドーピング問題について祖父の服用する薬が混入した可能性が高いと主張している。まだまだ終わりが見えないドーピング問題。大事な五輪の場でアスリートファーストの精神は失われてしまった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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