落合英二ヘッド兼投手コーチ発案「ざっくばらんに話すという時間を」 その悩み、解決します――。中日の1軍投手コーチたちが1…

落合英二ヘッド兼投手コーチ発案「ざっくばらんに話すという時間を」

 その悩み、解決します――。中日の1軍投手コーチたちが18日、若手を対象にした“合同お悩み相談会”を開催した。春季キャンプは後半に入り、選手それぞれが課題に直面しているころ。かしこまらず腹を割って語り合う機会を設け、コミュニケーションを図った。

「選手たちのここまでの振り返りと、自分たちコーチが気づいたこと。そして、これからのこと。ざっくばらんに話すという時間をとったという形です」

 発案者の落合英二ヘッド兼投手コーチは、開催の意図を語る。首脳陣側は、大塚晶文投手コーチと2軍から応援に来ている小笠原孝投手コーチを含めた3人。相談者は1軍定着を目指す若手投手約15人で、屋内練習場でみんなで意見交換した。

 本格的に実戦へと入っていく中で、ブルペンでの肩の作り方といった具体的な問いも。一方、高卒2年目のドラフト1位・高橋宏斗投手からは「キャッチボールをしたボールが、ペッパーすると汚れるんですけど……」との“珍質問”も飛び出した。朝イチにきれいなボールでキャッチボールをした直後、短距離で向かい合ってトスバッティングをする恒例メニューへのまさかの着眼点だった。

高卒2年目の高橋宏斗は終了後に“おかわり質問”も

 落合ヘッドは「そんなのボールを変えれば終わるんじゃないかというくらいのレベルのことで悩んでいた」と苦笑いしたが、質問の“質”が問題なのではない。大事なのは、素直な思いを聞き出すこと。「選手はどんなことで悩んでいるか分からない」と言う。

 天然ぶりを発揮してしまった高橋宏だが、相談会終了後には個別で“おかわり質問”もぶつけた。登板日は朝からどう調整してプレーボールを迎えるべきか考えていたといい「聞けて良かったです。納得する言葉をもらえました」とすっきりした表情だった。

 お悩み相談会は、落合ヘッドが韓国・サムスンで投手コーチを務めていたころから取り入れてきた手法だという。「韓国でもすごく悩んでいる子が多かったので、日本に戻っても一緒だなと思っていました」。中には、抱え込んでドツボにハマる選手もいる。「(気兼ねなく話せる)雰囲気を作るのが難しいんですけど、いい時間だったと思います」と頷いた。

 昨季はリーグ屈指の安定感を誇った投手陣だが、立浪和義監督は「もう一度整備する」と宣言。真の投手王国復活には、実力を出し切れていない若手の覚醒や、育成の台頭も欠かせない。ひとりで悩み抜いて答えを出すのも時には大切だが、困ったときの“駆け込み寺”は拠り所になる。心の距離は、“密”にしておきたい。(小西亮 / Ryo Konishi)