■J1昇格へのノルマは「得失点差プラス20以上」  2022年のJ2は「戦国」だ。J1から4チームが降格してきたこともあ…

■J1昇格へのノルマは「得失点差プラス20以上」 

 2022年のJ2は「戦国」だ。J1から4チームが降格してきたこともあり、J1へ自動昇格できる上位2チームはもちろん、J1参入プレーオフに出場できる3位から6位までをめぐる争いも、候補を絞り込むのが難しい。

 数字の目安はある。

 2015年以降の各シーズンを見ると、J1自動昇格の条件として「得失点差プラス20以上」があげられる。昨シーズンであれば、優勝したジュビロ磐田は75得点42失点で得失点差がプラス33だった。これぐらいのプラスがあると、接戦を勝ち切り、負けないことが可能になる。磐田は27勝10分5敗で、勝点91を叩き出した。

 2位の京都サンガF.C.は、59得点31失点だった。成績は24勝12分6敗で、失点が少ないことで負けない試合はできていたが、得点がもう一歩伸びなかったために引き分けが増えた印象だった。

 15年以降の自動昇格チームを振り返ると、総失点が試合数の「42」を超えたのは15年の磐田(43失点)と、18年の大分トリニータ(51失点)に限られる。自動昇格を目ざすのであれば、「60得点40失点」がひとつの目安となるはずだ。55得点35失点といったバランスでもいいが、いずれにしても得失点差プラス20を弾き出すことで、自動昇格が見えてくる。

 昨シーズンは3位から6位までのチームも、得失点差プラス20以上を記録した。プレーオフ圏のラインはシーズンごとに変動するが、プラス20以上を記録すれば6位以内は確保できる、と考えられる。

■長崎は守備力を維持しつつ攻撃力をアップ

 それでは、最新のJ1昇格候補をリストアップしよう。J1参入プレーオフ圏と同じ6チームをあげてみた。

【昇格可能性 A+】大分トリニータ、V・ファーレン長崎FC町田ゼルビア

【昇格可能性 A】横浜FCベガルタ仙台

【昇格可能性 B+】ジェフユナイテッド千葉

 J1からJ2へ降格したチームが、1シーズンでJ1へ復帰するのは簡単でない。大分、仙台、横浜FC、徳島ヴォルティスには厳しいシーズンが待ち受けているが、大分は主力がほぼ残留した。片野坂知宏監督はガンバ大阪へ去ったが、下平隆宏新監督は柏レイソルと横浜FCを指揮し、19年に横浜FCをJ1昇格へ導いている。昨シーズンまでのベースが維持されたチームを、経験を持った下平監督が指揮するということで、J1昇格の有力な候補と考えられる。

 新加入のブラジル人MFの合流時期は気になるところで、CBエンリケ・トレヴィザンFC東京移籍も不安材料にあげられるが、日本人選手だけでもしっかりとしたチームを編成できるはずだ。とりわけMFは選択肢が豊富で、様々なバリエーションを生み出すことができる。

 ポイントは得点源だ。シーズン総得点を「60」以上に設定すると、15得点から20点を見込めるストライカーがほしい。J1、J2で通算60発の長身FW長沢駿、19年に長崎で22得点をあげた呉屋大翔らの爆発が期待される。

 昨シーズン4位の長崎は、69得点44失点で得失点差はプラス「25」だった。松田浩監督就任後では30試合で56得点24失点と、攻守のバランスを大幅に改善した。

 右SB毎熊晟矢セレッソ大阪)、左SB亀川諒史(横浜FC)、CBフレイレ(FC岐阜)らが移籍したものの、SB奥井諒清水エスパルスから加入)、SB高橋峻希(柏から加入)、CB櫛引一紀大宮アルディージャから加入)、CB村松航太ギラヴァンツ北九州から加入)らを獲得した。守備の整備に定評のある松田監督のもとに、昨シーズンに見劣りしない選手が揃った。

 攻撃陣では奥田晃也水戸ホーリーホックから加入)とクリスティアーノ(柏から加入)が加わった。昨シーズン15得点のエジガル・ジュニオ、同10ゴールの植中朝日、同7得点の都倉賢に加えて、2ケタ得点を期待できる奥田とクリスティアーノを迎え入れたのだ。昨シーズン同様かそれ以上の攻撃力を、装備することができている。

 松田監督の就任後の昨シーズンは、2試合以上連続で勝利を逃す機会を2度に抑えた。長いシーズンでは浮き沈みを避けられないが、そのなかで停滞期を短くできていたのは、今シーズンにつながるプラス材料だろう。高いレベルの安定感を維持できれば、J1昇格の有力な候補になっていくはずだ。

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