BMXフラットランドのアイコンとして常にシーンの最前線を走り続けてきたBMXライダーの田中 光太郎が手掛けた国内最大級のBMXパーク「TYLER」が 2021年12月4日に埼玉県の新座市にてグランドオープンした。BMXフラットランドの乗り場…
BMXフラットランドのアイコンとして常にシーンの最前線を走り続けてきたBMXライダーの田中 光太郎が手掛けた国内最大級のBMXパーク「TYLER」が 2021年12月4日に埼玉県の新座市にてグランドオープンした。BMXフラットランドの乗り場だけでなくCAFEスペースやアパレルショップも併設され、充実の内容となっているTYLERでは日々多くのBMXライダーたちが足を運び、賑わいを見せている。
今回FINEPLAY編集部はオーナーの田中 光太郎(以下:K)にインタビューを敢行。グランドオープンまでの過程から、TYLER、そして未来のBMXシーンに込められた想いを訊いた。
BMXに思いっきり乗れる場所を
田中光太郎 / Photo by Naoki Gaman
–OPENして2週間たった今の心境はいかがですか? (取材日:12月23日)
K:とにかく毎日が充実しています。準備期間から今日までドッタバタですが(笑)
乗り場に困っている人や、BMXに興味があるけどどこに行けば良いのかわからなかった人など、毎日いろんな人が来てくれるので楽しいです。自分自身が毎日BMXに触れることができるのも大きいですね。
平日15:00オープンまでの間、朝来て僕の軸となる BMXブランドのMOTELWORKS や FOURTHIRTY、その他、複数のオンラインミーティングなどをここでやっているので、自分の活動全てが1箇所に集約できています。そして15:00になったら利用者が来てくれて楽しんでくれてる姿を見れるし、自分も乗ったりもしています。現状では無休状態ですが疲れは1mmも感じないです (笑)
–自分の気持ちは本当に大事ですよね
K:むしろそれが全てですね。何に関しても心の健康度が一番で、どんな職場でも言えることです。大した仕事じゃないのにグチばっかり言ったりとか。こういうのって心の健康具合によると思うんです。
そういう部分で、TYLERは自分にとって本当に必要なものと、シーンにとって必要なものがリンクした感触があるので、楽しいし毎日ワクワクが止まらないんです。この感じは MOTELWORKSやFOURTHIRTY、大会運営や審査員の仕事にも同じことを感じています。
乗る人も乗らない人も楽しめる場所に
田中 光太郎
-TYLERを造るにあたってこだわった点はありますか?
K:一言で言うと「こだわらないことにこだわる」です。誰でも来れる場所、新旧問わずライダーにはライディング欲を満たせる場所、として利用して欲しいし今日BMXを購入した人も、とにかく楽しんで汗をかいていってもらいたいです。
環境の変化や年齢という理由でBMXから離れていた人にとっても、ここでまた乗り始めようかな、と思える遊び場になってほしいです。それぞれの価値観で自由にBMXの魅力を満喫してほしいです。上手い、下手、とかじゃなくて楽しんだもん勝ちだと思っています。
CAFEスペース
-昔からのライダーや仲間からの反響はいかがですか
K:仕事終わりや家族ケアの後に「1時間でも汗かきに行こうかな」と思ってもらえるように、平日は23:00まで営業しています。思っていた以上に同世代や先輩が応援に来てくれたり、乗りに来てくれたりしています。
80~90年代のBMX専門誌なんかを持ち寄って笑い話をしたり、その雑誌を今の子が見てびっくりしたり、何年もシーンから離れていた仲間たちがリハビリと言う名目でイチからBMXと向き合って遊んでいます。なのでとても良い空気が流れはじめています。
あと家族で来ても楽しめるように、乗り場以外のスペースにもこだわりました。家族、保護者、彼女、など乗らない人でも「居心地が良い場所」として選んでもらうというのは、自分の趣味を満たしたい人にとっては重要なのですからね(笑)
おもちゃ販売スペース
アパレルショップ
-“TYLER”の名前の由来はなにかありますか?
K:単純に、BMX練習場と言ってもランプ(ジャンプ台)などは無く、BMX FLATLANDのための平らな倉庫なのでFLAT → 平ら → タイラーです(笑)
BMXパーク TYLER
未来のBMXシーンの発展に向けて
田中 光太郎
-ご自身が、このパークを造るにあたって、込めた意味はありますか?
K: ストリート競技者なら誰もが経験があると思いますが、僕自身昼間の公園で練習をしていて警備員に怒られたりするという事をを繰り返してきて、心が折れそうになることが何度もありました。
子供たちと一緒にBMXに乗っていて注意されたり、理解をしてもらおうと区や市に何度もかけ合ったりもしたものの力不足で形には出来ない状態でした。
現状、公園は正式な許可が出ている場所ではないので仕方ないけど、せっかく興味を持ってBMXを始めたのに、公園で怒られ続けたらシーンは大きくならないし、楽しくないですよね。まるで悪いことをしているような追い払われ方をされたと言う家族の声も聞きます。そういった部分で特にBMX FLATLANDは危機的状況だと思っていました。
僕が人生をかけて情熱を注ぐほど惚れ込んで止まないものが、社会にとってそうではない認識をされていることが悔しくて、「今、思い切り乗れる場所を作らなきゃ!」と考えたのもこの想いからが大半です。
とにかくBMXに堂々と思い切り乗りたいし、みんなにも思い切り乗ってほしいです!
–まずは自分自身が楽しむことが大切ですよね
K:もちろん!楽しんでない人が人を楽しませることなんて出来ないので。物の良さを知らずに物を売ろうとしても売れないのと一緒です。僕はBMXで全てが始まり、BMXで全てが回っています。BMXが大好きだし何歳になってもBMXを楽しんでいたいです。
そしてBMX FLATLANDはずっと存在していて欲しいし、この素晴らしいBMXの世界をもっともっと多くの人に知って欲しいし、体感してほしいと思っています。
いつかお爺ちゃんになって、「お爺ちゃんの若い頃はBMX FLATLANDと言う競技があってね」なんてことは絶対に言いたくないし、誰もが知っている誰もが認める最高のものとして伝え続けていきたいと思っています。
BMX FLATLANDは本当に奥が深くて、いつまで経っても終わりがないし飽きない最高の遊びなんです。まぁ、皆さん自分が夢中になっている競技や世界に対して同じことを感じていると思いますが(笑)
–最後に今後の展望があれば教えてください
K:僕は今年でBMX歴30周年なんです。30年経った今もBMXに乗るたびに発見があって、やりたいことが沢山あります。極めるどころか目標だらけで体が追いつかないんです(笑)
乗れない日にはBMXを眺めているだけで落ち着くし、ピカピカに磨くと気持ちがいい。中毒ですね。
BMXと出会えたことで生活が華やかになり、仲間が増え、練習を重ねることで自信がつき、全国に行き、海外に飛び、世界中に友達ができました。BMXに限らず、夢中になれる物を見つけれて楽しみ続けた先に見えることを、僕の経験をもとに下の世代にも伝えていきたいですね。
僕自信、まだまだ旅の途中ですが(笑)
The post 「俺はずっと自転車に乗り続ける」田中光太郎 - TYLER オープン記念スペシャルインタビュー! first appeared on FINEPLAY.