​ ​​そのまま歌舞伎町に行かなかった『バッドボーイ』 16日、立技格闘技イベント「RISE」が東京•新宿フェイスで新企画となるオープンフィンガーグローブで闘う試合形式の「RISE FIGHT CLUB」を初開催。この日…

 


そのまま歌舞伎町に行かなかった『バッドボーイ』

 16日、立技格闘技イベント「RISE」が東京•新宿フェイスで新企画となるオープンフィンガーグローブで闘う試合形式の「RISE FIGHT CLUB」を初開催。この日の第5試合では、相内誠(27=K26)VS安彦考真(44=Executive Fight 武士道)の一戦(3分3R)が行われた。(取材・文=Show大谷泰顕)

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野球対サッカーの「異種球技戦」に敗れた、元西武の投手・相内誠のコメントがこれだ! https://cocokara-next.com/athlete_celeb/rise-fight-club-makotoaiuchi-02/


 

相内は2012年、西武ライオンズにドラフト2位で指名されたことがあるピッチャー、安彦は年俸120円で話題を呼んだ元Jリーガー。いわば野球対サッカーの対決が行われた格好だ。

試合は3分3Rで行われたが、ファーストコンタクトは、安彦の得意なサッカー仕込みの左のミドルキック。その後、一進一退の攻防を見せるかと思いきや、1分すぎに安彦が右フックを相内の顔面に炸裂させると、思わず相内はダウン。直後に左ヒザを打ち込んで2度目のダウンを奪って勝利を決めた。1R1分51秒、安彦のKO勝ちだ。

勝利した安彦は、リング上から開口一番、「みなさん、ありがとー!」と発言。続いて「この試合が決まって、緊張緊張。舐められて、どうしてやろうと思ったけど、彼も彼なりのパフォーマンスでこの大会を盛り上げようとしたと思うんです。なので僕も思いっきりぶつかって、思いっきり倒そうと思った結果、こうなりました」とマイクアピール。

一方、相内は全試合終了後、バツが悪そうな雰囲気で記者の前に現れた。

そのまま歌舞伎町に行ってしまったほうがキャラ通りの『バッドボーイ』なのだが、そこはきちんとケジメだけはつけに来たのか。

 

そしてコメント終了後、出入り口にいた伊藤隆代表に挨拶をしに行くと、伊藤代表からこんな言葉をかけられた。

「負けたら終わりじゃねえぞ、あきらめたら終わりだからな」

この言葉を聞いて、相内がこの後、どんな行動を起こすのか。

相内が安彦から感じたもの


 

相内は対戦カードの発表会見でも、「練習しなくても大丈夫かな」「毎日、六本木で飲んでいます」と強気な発言を繰り返し、バッドボーイぶりを披露してきたが、発言は自由奔放でも、プロの世界では結果が出なければ成り上がっていけないことは野球界にいた時に経験してきたはず。

ましてやドラフト2位で7000万円の契約金が銀行口座に振り込まれる、なんて普通の社会人ではあり得ない体験もしてきた相内ならば、周囲に期待されているうちが花であることも十分承知しているだろう。

ならば、ここは一念発起して、その類い稀な身体能力のすべてを格闘技に注ぎ込んでもらいたい。

たしかに、今回がまだプロ3戦目ではあるものの、この日がプロデビュー戦で、かつ17歳も年上で、身長も10センチ低く、リーチも短いと思われる相手になぜ完敗を喫したのか。そこを徹底的に解明しなければ、せっかくの身体能力も宝の持ち腐れになってしまう。

さらに試合前に話していた、「ケンカのつもりで試合に臨む」は実行できたのか。仮に、今は耳をふさぎたい気持ちがあっても、どこかで早めに触れたくない部分をほじくり出さなければ、絶対に次の一歩を踏み出すタイミングが遅れてしまう。

そんなことは言われなくとも分かっていると答えるかもしれないが、恥をさらすのもプロの仕事と捉えるなら、次はまた恥の上塗りになるのか、次こそ輝ける明日を手にする番なのか。相内は今、まさにその分岐点に立っている気がする。

おそらく、ひとつヒントがあるとしたら、今回、相内が感じたように、安彦の放った「気持ちのこもった一発」ではないか。

つまりは心・技・体のうちの「心」や「覚悟」の部分。


聞けば相内はプロ野球時代、チェンジアップを得意としてきたそうだが、次こそはそれを生かしたストレートに、十分すぎるほどの気持ちを乗せて相手にぶつけてもらいたい。

プロ野球のピッチャーといえば、ジャイアント馬場以来となるだけに、相内の持つポテンシャルと存在感をこの世界でうまくアピールできれば、今後の格闘技界を大きく変えていける可能性は十分にある。

だからこそ、伊藤代表の言うように、最後はあきらめの悪いヤツが栄光をつかむ。今回の相手となった安彦が44歳でもなお、職業を「挑戦者」と言い切る姿に、相内はそれを学べるはずだ。

『悪童』相内誠がいつどうやって壁を壊し、壁を乗り越えるのか。今から楽しみでしかたがない。

 

[文:Show大谷泰顕]

 

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