【DAZN開幕特集】新天地を求めたチアゴ・マルチンス、ティーラトン、前田大然、扇原貴宏 2022シーズンのJリーグ開幕を…
【DAZN開幕特集】新天地を求めたチアゴ・マルチンス、ティーラトン、前田大然、扇原貴宏
2022シーズンのJリーグ開幕を控え、「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」はJ1クラブのチーム戦力を総力特集。THE ANSWERでは、2019シーズンの王者で、昨年は2位に終わった横浜F・マリノスを取り上げる。優勝メンバーであったティーラトンや、守備の要であったチアゴ・マルチンスが開幕直前でチームを去るなど、2022シーズンのチーム構成は大きく変わった。改めてチームの注目ポイントを紹介する。(文=藤井 雅彦)
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2連覇を飾った王者・川崎フロンターレと1-1で引き分けた昨シーズン最終戦後、キャプテンの喜田拓也は悔しさをにじませながら、しかし胸を張って言った。
「必ずタイトルを獲ろうとスタートして、リーグ戦の結果は2位でした。2位で満足できるチームではなくなっている。それはすごくポジティブなことだと思います」
クラブ史上最高となる勝ち点79を獲得し、リーグ最多82得点を叩き出した。優勝チームには及ばなかったものの、リーグにおいて特別な存在として輝きを放っていた事実は色褪せない。
だからこそ結果が欲しい。喜田は常々言う。「やってきたことが報われたと思えるために、やっぱり結果が必要」と。自他ともに認められるチームになるには『優勝』の二文字が欠かせない。新シーズンに臨む横浜F・マリノスの目標は明確だ。
しかし道のりは平たんではない。オフには何人かの主力選手がチームを離れた。
昨季、23得点を挙げて得点王に輝いた前田大然はセルティックへ期限付き移籍。日本を代表するストライカーへ成長を遂げた韋駄天がさらなる飛躍を目指すのは必然で、誰も止めることのないステップアップと言えよう。
2019年のリーグ優勝に大きく貢献したティーラトンや扇原貴宏も新天地を求めた。
コロナ禍の昨今、外国籍選手はプライベートでも常にストレスを抱えている。タイ代表の左サイドバックも例外ではなかった。3シーズンに渡って主力を担ったプレーヤーだけに痛手だが、このタイミングで母国でのプレーを選んだ決断は誰にも否定できない。
昨年30歳になった扇原にも、彼自身が描くキャリアプランがあるだろう。これは同い年で蔚山現代への期限付き移籍した天野純にも当てはまることで、存在意義や目的地を見定めようとすればするほど現状維持を選ばなくなるのかもしれない。
そのほかにも準主力クラスの和田拓也や梶川裕嗣、杉本健勇らがチームを去った。いずれの選手も貴重な戦力となっていたが、出場機会を求めるのは仕方のないこと。空いてしまった穴は総合力で埋めていくしかない。
極めつけは2月に入って電撃移籍が発表されたチアゴ・マルチンスの例だろう。今季も守備の要としてプレーするはずが、キャンプスタート後もニューヨーク・シティFCでのプレーを熱望。懸命の慰留交渉も実らず、最後は本人の考えを尊重する形で移籍を容認した。
プレーヤーズファーストとチーム強化を並行して進めながら、タイトルを狙う。
「F・マリノスでプレーすることは特別であると証明していきたい。自分自身はF・マリノスを強くすること、より価値あるクラブにしたいという思いしかない」
喜田がチームの思いを代弁した。
下馬評が低いなら結果で覆す、横浜FMの航海が始まる
新たな仲間を迎え入れ、横浜F・マリノスは1月12日に始動。17日からは宮崎県内でキャンプを実施し、本格的なチーム作りをスタートさせた。
途中、数名の選手に新型コロナウイルス陽性反応が出てしまった影響でスケジュール変更を迫られる誤算もあったが、終盤に予定していた練習試合は無事に実施。2月2日のモンテディオ山形戦では新ストライカー候補の座を争うブラジル人のレオ・セアラと新加入の西村拓真がゴールを挙げて2-2。2月5日のサンフレッチェ広島戦は2-3で敗れたものの、背番号10のマルコス・ジュニオールが2得点と順調な仕上がりを印象付けている。
広島との練習試合にはサガン鳥栖から加入したエドゥアルドも出場し、キャンプ明けからはアンデルソン・ロペスも合流。いよいよ2022シーズンを戦う面々が出揃った。
そしてチームのアイデンティティになりつつある練習強度の高さも不変。鹿島アントラーズから加入した永戸勝也の言葉が印象的だ。
「上位に行くチームの練習だなと思う。対戦していたリスタートが早くて休めない印象があった。実際に加入してミニゲームをやっていてもGKからの球出しが早いし、そういったところにやりたいサッカーがしっかり落とし込まれているなと感じる。疲れている中でも頭だけは動かせるように意識してやっていきたい」
練習内容と試合でのパフォーマンスがしっかりとリンクする。簡単に見えて難しいこの作業の繰り返しがチームの一体感を高め、真に強いチームへの階段となる。仮に結果を出せずに苦しむ時期があったとしても、戻るべき場所があることは強みになる。
とはいえ前田大然とチアゴ・マルチンスは攻守の両輪を担っていた選手で、まずは彼らが抜けた穴をいかにして埋めるかがポイントになる。誰もが不安に感じている点だが、ケヴィン・マスカット監督は新チームの歩みに自信をのぞかせた。
「特徴的な二人が去ってしまったというのはある。いろいろな人が不安だと思うが、彼らに代わる選手は彼らしかいない。でも自分たちには違った特徴を持つ良い選手がいる。まずは新加入の彼らに感謝したいし、F・マリノスのために戦ってくれるという強い気持ちがピッチで見えている。一人ひとりの特徴や性格を見極めて、また違ったインパクトを出せると思っている」
特定の個に依存する戦い方はそもそも目指していない。横浜F・マリノスは個性的な色を持った個の集合体で勝負する。だからこそ指揮官は「ひとりがどうこうというのが我々の強みではない。チーム全体で一致団結して戦えるのが我々の強みだ」と胸を張った。
下馬評が低いのならば、結果で覆すのみ。幾多の困難を乗り越え、さらに逞しくなったトリコロールの航海が始まる。
■2022明治安田生命J1リーグ 開幕戦
2月19日(土)14:00キックオフ
横浜F・マリノス vs セレッソ大阪(日産スタジアム)
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)