【DAZN開幕特集】横浜FMからのラブコールの声に「素直にうれしかった」 2022シーズンのJ1リーグがいよいよ幕を開け…
【DAZN開幕特集】横浜FMからのラブコールの声に「素直にうれしかった」
2022シーズンのJ1リーグがいよいよ幕を開ける。スポーツチャンネル「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で行っているJ1開幕特集。そこで「THE ANSWER」では、鹿島アントラーズから横浜F・マリノスへ移籍した永戸勝也選手に新シーズンの意気込みを聞いた。(取材・文=藤井 雅彦)
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美しい放物線を描いたクロスがゴール前で待つ味方をピンポイントで捉え、得点が生まれる。プロに入ってから幾度となく歓喜の場面を演出してきた。
だから永戸勝也は左足のキック精度に絶対の自信を持っている。
幼少期は当たり前のように毎日ボールを蹴っていた。2つ上の兄の背中を追いかけ、サッカー漬けの日々を送る。小学校2年生の時に開催された2002年日韓ワールドカップでは、イングランド代表のデイビッド・ベッカムの美しいキックフォームに魅了され、憧れた。
いつしか特徴は武器に変わり、プロ入り後も左足で道を切り拓いてきた。
ベガルタ仙台の一員としてプレーした2019年にDF登録ながら10アシストを記録。あくまでも非公式ながらアシスト王の座を射止めている。
「アシストはセットプレーからつくことが多かったのですが、チームとしてセットプレーを重要視していたので少しは貢献できたかな、と。キックにはもともと自信を持っていましたし、結果が出ることによって『もうひとつ、もうひとつ』という気持ちになりました。より高い数字、レベルを求めていかないといけないと感じるようになりました」
そのシーズンを終え、永戸はある決断を下す。3年間を過ごした仙台を離れ、鹿島アントラーズへの完全移籍である。誰もが認めるJリーグ屈指の強豪で、厳しい環境に身を置いて自身をひと回り成長させるためだった。
実は、鹿島移籍を決断する以前に、横浜F・マリノスも自分に興味を持っているという話が耳に入っていた。正式オファーには発展しなかったものの、獲得候補としてリストアップされていたという。
「だいぶ早い段階で僕の耳にも入っていました。移籍はいろいろなタイミングが大きく左右することだと思いますが、優勝したチームから評価されてもらっているのは素直にうれしかったです」
タイトル獲得を義務付けられている鹿島で日々研鑚を積む。試合だけでなく練習から100%で取り組まなければ生き残っていけない厳しい世界。チームに優勝の二文字をもたらすことはできなかったが、過ごした2年間に意味はあった。
横浜FMのサッカーは「信頼関係を築くことがとても大切なサッカー」
2021年末、横浜FMから正真正銘の正式オファーが届いたことが動かぬ証拠だろう。シーズン後半に入って出場機会が減っている状況にもかかわらず、高い評価を受けた。
「僕のことをすごく評価してくれているというのが最初の印象で、このチームでやってみたいという思いは数年前から持っていました。だから、あまり悩む時間はなかったですし、楽しみな気持ちで決断しました」
横浜FMのサイドバックはインサイド寄りにポジションを取ることも多く、タッチライン際を疾走するオーソドックスなサイドバック像とは一線を画する。新たなプレースタイルへの挑戦は平坦ではなく、2019年の優勝に貢献したティーラトンという偉大な先駆者を追いかけるプレッシャーを感じても不思議ではない。
「自分からアクションして動くことが多いポジション。運動量は多くなりますが、リアクションではないので楽しいです。もちろんティーラトン選手の活躍あっての優勝だったことは理解しています。でも自分は自分の色を出して、ファンやサポーターに認められて肩を並べるような存在になっていきたい」
1月中旬からは宮崎でキャンプを行い、本当の意味で『アタッキングフットボール』に触れてきた。練習試合にも出場し、少しずつ新たなエッセンスを体に取り入れていく。「手応えはあるけど不安というか、見えていないこともある」と話した理由を詳しく聞いた。
「攻撃的なサッカーをするにあたって、横や縦の選手との信頼関係がないとプレーできないなと感じました。守備の場面では、前の選手がプレスに動いたら後ろの僕たちがついていかないと、せっかくプレスに走った意味がなくなってしまいます。反対に、攻撃場面で僕がオーバーラップすれば、後ろにいるセンターバックも前へ出てカバーリングのポジションを取る。それぞれがセットで動くイメージで、だからこそ一体感が重要になる。ピッチ外も含めて信頼関係を築くことがとても大切なサッカーだと思います」
今はまだ試行錯誤を繰り返している段階かもしれない。状況に応じて適切なポジションを取るのは簡単な作業ではなく、どんなサイドバックも加入直後はピッチ内で迷子になり、表情を曇らせていた。
それでもキャンプで得た成功体験が自信につながり、シーズン開幕後に生きていくのだろう。
「新しい戦術に触れて、プレーの幅が広がったと感じる部分があります。最初は悩みながら、考えながらプレーして、うまくスペースへ入れなかった。でも少しずつ自然とポジションを取ることができて、チームとしてスムーズにボールを回せる場面も増えてきました。相手を見て、味方を見て、スペースを見ながらプレーする。徐々に馴染んできた手応えがあります」
チームは3年ぶりのリーグ奪還、そしてアジア制覇を目指している。サイドバックの力は必要不可欠で、いやがうえにも背番号2の存在はクローズアップされるだろう。
トリコロールの新シーズンを占う男は永戸勝也。攻撃に新たな彩りを加え、勝利とタイトル獲得を実現していく。
■2022明治安田生命J1リーグ 開幕戦
2月19日(土)14:00キックオフ
横浜F・マリノス vs セレッソ大阪(日産スタジアム)
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)