■2月12日/富士フイルム・スーパーカップ2022  川崎フロンターレ0-2浦和レッズ(日産) リカルド・ロドリゲス体制…

■2月12日/富士フイルム・スーパーカップ2022  川崎フロンターレ0-2浦和レッズ(日産)

 リカルド・ロドリゲス体制で2年目の浦和レッズが、川崎フロンターレを下して富士フイルム・スーパーカップを制した。Jリーグ王者と天皇杯王者が激突する、新シーズンの“開幕ゲーム”。会場となった日産スタジアムのピッチで躍動したのは、浦和レッズだった。

 新シーズンを占う一戦に挑むメンバーが発表されると、サポーター席からはどよめきのような声が聞かれた。というのも、昨シーズンの中心メンバーだったMF小泉佳穂がベンチ外に。さらに、途中加入ながら21試合で9ゴールを挙げてチーム得点王となったFWキャスパー・ユンカーもメンバー入りしなかったのだ。

 小泉は今季から背番号を8に変更し、引き続き主軸を担うと思われた中でのメンバー外で、ロドリゲス監督の大胆な采配だった。

 しかし、それは“奇策”ではなかった。というのも、ホイッスルが鳴ると同時にボールを握ったのは浦和の方だった。さらに、開始わずか6分で先制ゴールを奪ってみせたのだ。右サイドで酒井宏樹が抜け出すと、グラウンダーのマイナスクロス。これを、江坂任がワンタッチで合わせ、GKチョン・ソンリョンが守る川崎のゴールに流し込んでみせたのだ。

 Jリーグ王者の川崎も意地を見せるべく人数をかけて攻勢を強めようとするが、浦和はブロックを固めてこれをはね返す。浦和は攻撃と守備の両方で、新しい形を見せた。

■リカルド・ロドリゲス「FWの仕事も優れている」

 川崎は後半から左ウイングにマルシーニョを投入し、チャナティップを中盤に下げて攻めの枚数を増やすが、浦和の守備はほころびを見せない。次々と攻撃的なカードを切るJリーグ王者に対し、試合を決定づける得点が記録されたのは81分のこと。決めたのは、またしても江坂だった。

 DF車屋紳太郎と対峙した明本考浩が、中央にパス。江坂はこれを受けると、日本代表DF谷口彰悟と1対1の状況になるが、そのワンタッチ目で谷口の逆をつくと素早く左足でシュート。必死に足を伸ばした谷口の股を抜いて、ボールをゴールネットに突き刺したのだ。

 この日の浦和のメンバーで、純粋なFW登録の選手は実は一人もいない。公式記録では江坂と明本がFW登録になっているが、実際的にはゼロトップのような布陣で、川崎守備陣にとって対峙しにくい形を作った。また、昨季は、江坂の相棒を小泉が務めることが多かったが、この試合では、昨季は左サイドバックでの出場が多かった明本を起用。指揮官は、このユーティリティプレイヤーを「FWとしての仕事も優れていて、できる能力があると思っています。今日でいうと、プレスであったり、もちろん得点を奪うことも彼の武器です」と評価し、ズバリ采配を的中させてみせた。

 明本の代わりに左サイドバックに入ったのは大宮から加入したばかりのDF馬渡和彰で、徳島時代にリカルド・ロドリゲスが始動した“チルドレン”だ。

■終盤には5バックで守り切る

 江坂が2得点を挙げ、川崎の攻撃陣もシャットアウト。結果だけでなく、内容でも川崎を圧倒する完勝だったが、リカルド・ロドリゲス監督は「欲を言えばもう少しボールを持って主導権を握って、敵陣のゴール近くでプレーする時間を長くしたい」とけっして満足してはいない。

 昨季、天皇杯決勝の大分戦で試合中にシステムや戦い方を何度も変えたように、この試合でも何度も変えた。勝利を掴むために、終盤にはDF犬飼智也を入れて5バックも用いた。戦術家であるだけでなく、勝負師としても采配を振るった。

 Jリーグ2連覇中の川崎を相手に完勝したことで、優勝の2文字も浮かぶ22年シーズンの好発進を果たしたわけだが、この試合で、そのキーマンと呼べる男がいた。それが、MF岩尾憲だ。

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