日本でもっとも歴史があると言われる大阪ラグビースクールが4月29日、50年目を迎えた。1968年(昭和43年)4月29日に大阪市阿倍野区の常盤(ときわ)小学校で活動が始まり、現在は吹田市の万博記念公園で毎週日曜日に活動が続けられている。 …

 日本でもっとも歴史があると言われる大阪ラグビースクールが4月29日、50年目を迎えた。1968年(昭和43年)4月29日に大阪市阿倍野区の常盤(ときわ)小学校で活動が始まり、現在は吹田市の万博記念公園で毎週日曜日に活動が続けられている。

 大阪ラグビーフットボール協会が直々に競技普及のために設立した。卒業生は1000人を超す。50年の歴史の中で、藤原匡(同志社大→元セコム)、大畑大介(元神戸製鋼)、正面健司(神戸製鋼)、松井千士(サントリー)と4人の日本代表WTBのほか、数多くの名選手を輩出している。
 6代目の大西一二(かずじ)校長は「一流の選手になっていくことよりも、一人でも多くラグビーを好きになって続けてもらいたい」と話す。子どもたちはコーチを「先生」と呼ぶように、技術だけでなく、「規律(ハイ!)と気力(なにくそ!)」の理念のもとラグビーに取り組む姿勢を教えていくことに力が注がれている。

 当日は鶴見緑地球技場で記念交流試合をおこなった。幼児、小学生は、大阪南地区合同(富田林・河内長野・岬)、東淀川RSと試合。中学生(高学年)は大阪南地区合同と20分×2本の15人制の試合をおこない、高校に進学しても活躍しそうな選手たちが躍動した。
 中学校に部活がない女子選手の受け皿として7年前に結成されたORSレディースは、セブンズで中学生(低学年)との同門対決をおこなったり、ガールズ兵庫RCと対戦。こちらも将来の女子選手の育成に力を入れている。

 リーガロイヤルホテルで盛大におこなわれた50周年記念式典では、坂田好弘・関西協会会長をはじめ、関西各地のスクール、中学、高校、大学チーム関係者、OBが数多く集い、交流を楽しんだ。
 スクール1期生の野上友一(ともかず)常翔学園高校監督はOB代表スピーチで「4人の日本代表のイケメンをさしおいてOB代表挨拶を…」と笑いを誘い、現在も受け継がれる白地に空色ラインのジャージーデザインが子どもたちの多数決で決まったエピソードを披露した。段柄とも異なるデザインは当時例がなく、のちの多くのスクールが採用するもとになったという。会の最後は指導者陣がスクール校歌「ゴールめざしてつっぱしれ」を歌い終会となった。

 ラグビースクールの「老舗」としての活動は、まだまだ続く。
 2019年ワールドカップ、それ以降も日本のラグビーを盛り上げていくために、これからも子どもたちがラグビーに触れる初めての場としての重責を担う。