2月7日、北京で初めて練習した羽生結弦【初練習に報道陣が熱視線】 北京五輪、フィギュアスケート団体戦は宇野昌磨と鍵山優真にたくす形になった、羽生結弦。2月8日から始まる個人戦の男子シングルを控え、羽生は6日に北京入りすると、7日の午後、サブ…



2月7日、北京で初めて練習した羽生結弦

【初練習に報道陣が熱視線】

 北京五輪、フィギュアスケート団体戦は宇野昌磨と鍵山優真にたくす形になった、羽生結弦。2月8日から始まる個人戦の男子シングルを控え、羽生は6日に北京入りすると、7日の午後、サブリンクに初めて姿を現わした。

 競技会場である首都体育館の隣にあるサブリンクは観客席もなく狭いため、密を避けるためにメディアの入場制限をしている。それでも100人ほどの報道陣が熱い視線を送るなか、羽生は余裕ある時間の使い方でジャンプの練習を始めた。合間にアクセルの入りから氷上でくるくると回ってから2回転ループや3回転ループを跳ぶパターンの練習を入れ、3回転フリップ、3回転ルッツ+オイラー+3回転サルコウ、4回転トーループ、4回転サルコウと、軽々と跳んでいく。

 練習開始から15分ほど経った時、短い助走で急に4回転アクセルにチャレンジし、両足着氷した。ジャンプ前のスピードも遅く、「まさかここで?」と驚かされた。

 それから6分間ほどで、2回のパンクや途中で体を開いたジャンプも含めて4回転アクセルに5回挑戦。さらに、最後の順番になった曲かけ練習では、フリー『天と地と』を選び、最初4回転アクセルは転倒。そのあとの4回転サルコウは尻もちをつく直前で耐えきると、トリプルアクセル+2回転トーループから3回転フリップにつながる流れを確認。そして、後半も4回転トーループからの連続ジャンプと、3連続ジャンプを決め、最後はトリプルアクセルで締めた。

 その時点で練習時間は残り5分強となったが、4回転アクセルへの入りをさらに数回確認すると、ラスト1分になってからスピードを上げた助走で挑んで両足着氷で転倒。さらにもう一度跳んでパンクで終わると、練習時間終了のアナウンスが流れた。

【過去2回とは違った五輪】

「全日本選手権後は、4回転アクセルの練習をかなりやってきたけど、やはり難しいなと思いながらやっています。でも、やっぱり達成したい目標でもあるし、あとは自分自身がこの五輪で上にいくには絶対に必要だと思っているので頑張ります」

 4回転アクセルの練習について話した羽生は、初練習の感触をこう語った。

「最初のほうは緊張感もあったし、自分のなかでの氷の感触との調整もちょっとずつあったけど、最終的には集中しながら練習ができたと思っているので、いい感触だったと思います。4回転アクセルはまだ成功していないけど、こっちへ来ての感触としてはかなり浮きもいいし、回転のかけ方もやりやすいなと思いながら今日はやっていた。まずは回転しきりたいと思います」

 北京入りして最初の練習だったこともあり、「まだ思いきりやっていないという感じもあるので、ここでも成長できるようにしていけばいい」という心構えだ。羽生は「これまで2回の五輪は、『自分が練習してきたことを出しきれば勝てる』みたいな感じでやってきたけど、今回はまだまだ成長しなければいけないところがある状態での試合。五輪の舞台の緊張感は特別かなと思ってやっています」と話し、戦いへ向けての覚悟を決めている。