​ ​ ​ 大みそかの「Yogibo presents RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)からひと月が経過し、2022年の格闘技界もようやく本格的に動き始めようとしているが、年明けから今日までの間に気になる発言がいくつか散…


 大みそかの「Yogibo presents RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)からひと月が経過し、2022年の格闘技界もようやく本格的に動き始めようとしているが、年明けから今日までの間に気になる発言がいくつか散見された。その中の一つに前田日明氏がRIZINの榊原信行CEOに対して発言した「選手はプロモーターのおもちゃじゃない」があった。今回はこの発言を見えてくるものを考えてみた。全4回の第3話(取材・文=Show大谷泰顕)

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 当然のことながらRIZINの経営状態の詳細は定かではないが、例えば2020年にはクラウドファンディングを大々的に行い、広く資金を募ったこともあったし、そうでなくともいつまた緊急事態宣言が出て、大会が延期や中止になることを想定しながら日々の業務に向かわなければならない。いや、そうなるともう慣れるしか方法はない。

 それでも大みそかには2万人を越える観客を集めたのはあっぱれとしか言いようがないし、少なくとも日本にはそんな(プロレスを含めた上でも)格闘技の大会は存在しない。だが失礼ながら、それでもRIZINの経営状態がそこまで回復したとは記者は思えない。

 そういった状況を踏まえると、前田日明氏の口にした「選手はプロモーターのおもちゃじゃない」発言が例え正論であったとしても、前述した通り、記者としては決して手放しに喜ぶ気にはなれなかった。

 もちろん、前田氏の歯に衣着せぬ発言こそが最大の魅力であり、記者もそれを楽しんできた一人ではあるものの、客観視して現在のRIZINを見た時に記者が思うのは、「よくやっているな」しかない。


 年頭にシバターVS久保優太の八百長騒動が世間を賑わし、さまざまな物議をかもしたが、その際に分かったことは、誰がどんなスタンスでこの騒動と向き合っているのか。要は、各々の立ち位置が明確になったことだろう。いわばリトマス試験紙の役割を果たしたことになるが、持論を展開したそれぞれに記者が聞いてみたかったのは、たった一つだけ。

「あなたは業界の中の方ですか? 外の方ですか?」という問いかけである。

 仮に御用マスコミと思われようが、少なくとも記者は、なるべくなら取材対象者の良い面にスポットを当てて、記事なり動画を発信していきたい。それでも揚げ足を取りたいとしたら、それは業界の外の方の役割であって、記者の役割ではないと思っている。

 時代は変わっても、結局、世間様にとって「(プロレスを含む)格闘技」というプロ興行の世界は、「八百長・野蛮・反社」のレッテルをいかに貼るか。そのスキを狙っている存在でしかない。

 だからこそ、「格闘技」が掲げなければならないのは、どこまで行っても「対世間」をいかに選手や関係者に徹底させるか。その意識を持つかしかない気がする。それでも今、内部から業界を活性化させたいと思うなら、やり方を間違えると、それどころではない、となってしまう。戦時下でコロナ禍にある今は、誰もが余裕がなく、非常にタイミングが悪すぎるからだ。

[文:Show大谷泰顕]

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