​ ​ ​ 大みそかの「Yogibo presents RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)からひと月が経過し、2022年の格闘技界もようやく本格的に動き始めようとしているが、年明けから今日までの間に気になる発言がいくつか散…


 大みそかの「Yogibo presents RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)からひと月が経過し、2022年の格闘技界もようやく本格的に動き始めようとしているが、年明けから今日までの間に気になる発言がいくつか散見された。その中の一つに前田日明氏がRIZINの榊原信行CEOに対して発言した「選手はプロモーターのおもちゃじゃない」があった。今回はこの発言を見えてくるものを考えてみた。全4回の第1話(取材・文=Show大谷泰顕)

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「選手はプロモーターのおもちゃじゃない」

 この発言は、去る1月22日に公開された前田日明氏による自身のYouTubeチャンネルでの発言である。

 前田氏は大みそかの「Yogibo presents RIZIN.33」で朝倉海が痛み止めを打って決勝戦に臨んだことに触れ、RIZINの榊原CEOに対してそう言い放った。

 まず、記者の個人的見解を言えば、非常に誤解を受ける発言だと思ったし、正直な感想を言えば、決して手放しに喜べるものではなかった。また、前田日明という人物のキャラクターや人となりを理解している人からすれば、想定される範囲の発言かもしれないが、業界外のメディアからすれば、非常に利用されやすい言葉だろうな、とも思った。事実、業界内のメディアはこれを特別視して取り上げなかったと思う。

 実際、RIZINのみならず、PRIDE時代から似たような場面は何度となく経験してきた榊原CEOからすれば、総合的な判断で難しいと思えば、朝倉海を決勝戦に送り出すことはなかったに違いない。

 なお、その後、石井和義館長もこの件に触れ、1月23日に以下のようなツイートを発信している。

「朝倉君の気持ちもわかるし、RIZIN側の思いも見える。前田さん、懐かしいなぁ。お元気なのかな、前田さんの言うことも正論。物事は表裏一体、光と影、男と女、リアルとフェイク、全て二つで一つ。未来に向けてどうするかRIZINは競技かイベントか。」(原文ママ)

 非常に石井館長らしさのある、配慮が感じられるツイートだった。

 まさにヤンチャな前田氏とは好対照な印象を受けた。


 ともあれ、両者から感じられるのはRIZINに対しての思いであり、前田氏に関しては、自身が立ち上げた「THE OUTSIDER」出身の朝倉海に対する愛情は伝わってきた。前田氏の場合、格闘技業界に対する思いが強すぎるあまり、今回のような誤解を生む言動になってしまったのだと、少なくとも記者は考えた。

 そして 前田氏の師匠であるアントニオ猪木の言葉を思い出した。

 いわく、「起こったことはすべてよし」。

 つまり起こったことをすべてよしと前向きにとらえながら対処していくのが得策だという考え方だ。

 ということで、ここで少し本題から外れるが、今回はプロモーターがテーマなので、それにまつわる話を披露しながら、この発言から見えてくるものを考えてみたい。

 実は以前、榊原CEOからこんな話を聞いたことがある。時期はRIZINが立ち上がった頃だったはずなので、おそらく2015年の末から翌2016年だったかと思う。その際、榊原CEOは、かつてのPRIDE時代を振り返って以下のようなコメントをした。

「PRIDE時代、年間の売上高は一番いい時でも100億円はいかなかったけど、そこに近い数字を出せていた。おそらくK-1はPRIDEよりも売り上げていたはずだから、100億円はあったんじゃないかな」

 細かくは覚えていないが、確かそんな内容だった気がする。これは公にもなった発言なので、今回その際の記事を探したが、今現在、見つかっていないのでその辺はご容赦願いたい。

 もしかしたら多少は数字に色付けがなされている可能性は考えられるものの、当時の市場規模を推察するには参考になる話だと思う。

[文:Show大谷泰顕]

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