ひとことでいえば「捨て身」か。 キャンプイン直前の1月31日、阪神・矢野燿大(あきひろ)監督が今季限り…

ひとことでいえば「捨て身」か。
キャンプイン直前の1月31日、阪神・矢野燿大(あきひろ)監督が今季限りで監督を退任すると表明し、物議を醸している。賛否両論、いや批判の声のほうが圧倒的だ。シーズン前に、監督が去就に言及するのは前代未聞。プロ野球の重鎮たちを中心に「無責任すぎる」「自分が楽になりたいだけ」「選手が集中できない」などと言われたい放題だ。
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数少ない理解者、というより経験者が日本ハムの新庄監督。矢野監督の発言に「それ、どっかで聞いたことあるな。おれも言ったな、早めの引退」とニンマリ。自身が現役時代の2006年、シーズン序盤に引退を表明しており「矢野さん、似てるな。選手もいろんな思いがあると思う。チームが変わるんじゃないですか」とポジティブにとらえた。
新庄の「引退宣言」は当時、Bクラス常連だった日本ハム移籍3年目で「どうしても優勝したかった」と4月の試合でその年限りの引退を発表。毎試合が引退興行のようになって観客動員も増え、一丸となったチームは25年ぶりリーグ優勝、44年ぶり日本一の快挙を成し遂げた。開幕早々の「新庄引退宣言」が起こした奇跡は、球界でも語り草となっている。
矢野監督の大胆行動が、阪神時代に同僚だった新庄に感化された部分は少なからずあるだろう。ただ立場が選手でなく監督という違いがある。前例もなく、逆風が吹き荒れることはある程度想定内に違いない。阪神監督として3年連続Aクラス(3位、2位、2位)でも、優勝には何かが足りなかった。今オフ1年契約を結んで再スタートするにあたり、あと一押しの起爆剤として、自らの「クビ」を公にさらしたのかもしれない。
新しい挑戦がバッシングを受けるのは世の常。「二刀流」の大谷翔平も多くの批判を受けながら、パイオニアになった。奇策が吉と出て、2005年以来遠ざかる優勝へと矢野監督が導いたら、ブーイングを浴びせている周囲の反応はどう変わるだろうか? 優勝して退任した監督は過去11人。うち1954年の中日・天知俊一監督、2014年ソフトバンク秋山幸二監督の2人が日本一になっている。
◆優勝したシーズンに退任した監督
※=日本一
1950年 小西得郎(松竹)
1954年 天知俊一(中日)※
1960年 西本幸雄(大毎)
1978年 上田利治(阪急)
1983年 藤田元司(巨人)
1985年 広岡達朗(西武)
1994年 森 祇晶(西武)
2003年 星野仙一(阪神)
2007年 ヒルマン(日本ハム)
2011年 落合博満(中日)
2014年 秋山幸二(ソフトバンク)※
結果がすべての世界。矢野監督が開幕でつまずくようなら、シーズン途中解任の可能性もある。一方で、玉砕覚悟の危うさもあり、開き直って何をしでかすかわからない采配は興味深い。今シーズンのプロ野球はビッグボス新庄監督の独壇場と思われたが、退路を断った「矢野革命」には否(いや)が応でも注目が集まる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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