6日に東京競馬場で第72回・東京新聞杯(GIII、芝1600m)が行われる。昨年…

6日に東京競馬場で第72回・東京新聞杯(GIII、芝1600m)が行われる。昨年の秋華賞で2着に好走したファインルージュ、目下3連勝中と勢いに乗るプリンスリターン、マイルCSで5着に好走し、ここでは実績上位のホウオウアマゾンなどが出走予定だ。

ここでは東京新聞杯の好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてファインルージュを取り上げたい。

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■飛躍を感じさせた秋華賞2着

まずはファインルージュの前走・秋華賞について分析する。

スタートで出遅れ、後方から競馬を進めた。4コーナー付近からピッチが上がると馬群の外目から進出し、先に抜け出していたアカイトリノムスメを目標に長く良い脚を使い続けるも、勝ち馬にはあと一歩及ばずの2着だった。

内伸びのトラックバイアスだったのにも関わらず、一頭だけ外目から目を見張るような末脚を繰り出したことを含めた、これまでの戦歴からも「世代屈指のスピードを保持し、番手問わず堅実に末脚を使える重賞実績馬」と評価できるだろう。また、過去にはプリモシーンやリスグラシュー、スマートレイアーなど牝馬が毎年好走していることに加え、前回2着に導いたルメール騎手が継続騎乗となる今回も好走の期待が高まるのは当然だろう。

しかし、レースを重ねるごとにゲートの出が悪くなっていることに加え、前走2000m組が【0-1-1-12】勝率0.0%、連対率7.1%、複勝率14.3%と不調傾向にあることからもファインルージュに一抹の不安が残る。

■キズナ産駒には好走条件アリ

次に、ファインルージュの父・キズナの産駒成績について分析してみる。

このように重賞勝ちを収めた5頭(獲得賞金ランキング上位順)はいずれも「右回り」でしかタイトルを獲得出来ておらず、有馬記念で2着に好走したディープボンドも全4勝は右回りの競馬場で挙げている。キズナ自身もダービーで勝利しているものの、左回りを使ったのはこの一度だけで、決して「左回りが得意」とは言えない。

また、マイル戦に限ると阪神競馬場では【10-8-7-66】と10勝を挙げているのに対し、東京競馬場では【5-5-2-43】と急激にパフォーマンスを下げてしまっているように、瞬発力とスピードの持続性が求められる東京競馬場では持ち前のパワーとスタミナが発揮されない。

つまり、秋華賞で2着に好走したという結果だけで実力以上に人気してしまう傾向にあるため、レース適性と質を見極めなければならないのだ。前述で述べた通り、キズナ産駒は右回りでしか好走できていないことに加え、ゲート難による出遅れが懸念される今回はポジションが確保しづらく、前残りが多かった先週のトラックバイアスを踏まえると、後方から追い込むも届かず掲示板までという結果も想定される。

■好走に必要なのは「器用な末脚」

次に東京新聞杯の好走パターンを上がり3Fの順位から分析する。

・1位 【0-3-0-8】 勝率0.0% 連対率27.3% 複勝率27.3% ・2位 【2-3-1-6】 勝率16.7% 連対率41.7% 複勝率50.0% ・3位 【0-0-3-5】 勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率37.5% ・4・5位 【6-2-2-13】 勝率26.1% 連対率34.8% 複勝率43.5% ・6位~ 【2-2-4-86】 勝率2.1% 連対率4.3% 複勝率8.5%

このように「上がり4・5位馬」が最多の6勝を挙げており、昨年はシャドウディーヴァ(3人気)が上がり4位の末脚で3着、2020年にはプリモシーン(4人気)が上がり5位タイの末脚を繰り出し勝利するなど近年は中団で運び、持続性のある末脚を武器にした馬の好走が目立っている。一方で上がり最速の末脚をマークした馬は未勝利に終わっており、直線の長い東京コースにも関わらず後方一気の末脚を持った馬は不発に終わっている。

ファインルージュは前走で上がり最速の末脚を繰り出したが、外々に回して伸びてくるような競馬内容からも持続性のある器用な末脚だったとはいえず、1着のアカイトリノムスメは次走のエリザベス女王杯(2人気)で7着に敗れ、3着のアンドヴァラナウトは愛知杯(1人気)で11着に大敗するなど結果的に低調なメンバー構成だったことが露呈してしまったことも踏まえると、その末脚に全幅の信頼は置くことはできない。

また、昨年は「3歳世代」が名立たる有力古馬を下し、競馬界を牽引していたものの、牝馬に限ると古馬を破るような目立った成績は収められておらず、今年に至っても愛知杯で秋華賞組が軒並み凡走してしまっていることもファインルージュの不安材料となりそうだ。以上の不安点から馬券の妙味を考えると、ファインルージュは「消し」の評価。

「後編」ではファインルージュに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)